kennyheadway's thinking

こちらは日々思うこと、COVID-19について思うこと述べていくことになりそうかな。

スケジュール的には今日が2回目。だけれど1週間先延ばしにした。

本当は今日が2回目の接種だけれど、家族の接種のスケジュールの都合で1週間先延ばしにした。本当はもっと先延ばしにして間隔を空けて抗体量を多くしようと考えていた。デルタ変異株の感染力が強いことを考えると、早く抗体価を上げておいた方がよいと思った。1か月前に4週間間隔で接種することで先月末予約を完了していた。今回は、ワクチンで思っていること3つ(交差接種、接種間隔、接種後抗体価)述べてみたいと思う。

交差接種の是非

1回目のワクチンと2回目のワクチンの品名が異なる接種を行うことらしいが、いいという人もいればダメだという人もいる。私は医者ではないのでその辺のことは判断しかねる。飲酒はコロナ渦で1年以上飲んでいないがお酒のちゃんぽんと一緒に考えたらさすがに怒られるだろう(それにしてもたとえが悪い)。だけれど、モデルナ社製のワクチンが異物が入って集団接種中止とかスケジュール延期とかあった時のリスク回避としてはそういう対応もありなのかと思う。前提をどこに置くかによってその是非が決まるだろう。治験で有効性が認められた内容が前提となっているので、それと外れた条件での接種は治験範囲外となって正しく評価ができないということがダメだと思われる。

フィンランドの話を持ち出すけれど、ファイザー製のワクチンであっても3週間ではなく12週間で接種している。フィンランド保健省のワクチン接種の該当ページを読んでみると、交差接種が認められる対象があることが記載されていた。

かんわいんちょーさんのYouTubeで、最近の研究では交差接種の方が強い免疫反応を誘導することが説明されていたことを思い出した。論文は下記のものが相当するが、より強い免疫反応が出る代わりに副反応も大きいとなると嫌ではあるが、発表されたのが2021年7月26日とのことなので、同様な研究成果は今後いろいろ出てくるかもしれない。

SARS-CoV-2ワクチン接種への「ミックス&マッチ」アプローチ

www.nature.com

アデノウイルスベースのChAdOx1(AstraZeneca社)ワクチンとmRNAワクチンの異種混合投与は、ChAdOx1ワクチンの同種混合投与よりも強い免疫反応を誘導することが、最近の免疫原性試験で明らかになった。 

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出典:A ‘mix and match’ approach to SARS-CoV-2 vaccination (Nature medicine)

日本語脚注変更改変した https://www.nature.com/articles/s41591-021-01463-x?proof=tr

(図説明DeepL翻訳)アデノウイルスベースのワクチン(ChAd)に続いてmRNAワクチン(BNTまたはmRNA-1273)を接種する異種混合ワクチンは、アデノウイルスベースのワクチンを接種する同種混合ワクチンに比べて、より強固な体液性免疫(オレンジ色の矢印)および細胞性免疫(赤色の矢印)をもたらす。異種混合ワクチン戦略は、スパイクタンパク特異的CD8+ T細胞3の誘導とバリアント2の中和を、同種混合ワクチン投与戦略のいずれかで達成した場合よりも向上させる。

 この論文では、アルファ株(B.1.1.7)、ベータ株(B.1.351)、ガンマ株(P.1)において交差接種で中和抗体の力価が20倍から60倍になったと報告されている。ただしデルタ株 (B.1.617.2) については評価されていないので今はどうなのかわからないけれど、従来株では少なくとも抗体価が大きくなったと言ってよいだろう。デルタ株では効果が無いという結果が出たらショックだろう。そうあってほしくないけれど。

 

接種間隔延長の是非

2回接種することが抗体価を高くするといわれており、千葉大学の2021年6月のニュースリリースではそれを示している。

とはいってもできた抗体は時間が経過していくと減っていく傾向があるので、それであれば多く作っておきたいと思ってしまう。本題の接種間隔を延長するとどうなのかという答えは、以下の記事に答えが書いてあった。


news.yahoo.co.jp

  この記事で得られる情報は、以下のことと思われる。

  • 承認は間隔がファイザー社製は3週間であるが、公衆衛生当局の判断で6~16週間の延長が認められている。
  • ファイザー社製のワクチンは間隔が3週間の時よりも12週間あけると、スパイク蛋白に対する抗体価は約3.5倍になる。細胞性免疫の指標に関しては、間隔をあけた場合より弱い。
  • アストラゼネカ社製のワクチンは、これも接種間隔を延長した場合に、スパイクタンパクに対する抗体価が2.3倍に増加し、ワクチンによる感染予防効果が向上する。
  • アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、ファイザー社製もモデルナ社製も、いずれも6週間までしか保証できないと明言しているので、基本的には推奨通り「原則上限6週間」と理解しておくべきである。

なお厚生労働省の回答は以下の通り。遅くとも6週間以内に受けましょうねということが書かれている。

www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp

原則的には薬事で承認された内容に従うことが前提で、遅くなったとしても6週間以内に接種完了することを推奨するという内容だと理解した。

 

接種後の抗体減少

www.fujita-hu.ac.jp

このプレスリリースは、2021年8月25日に藤田医科大学から発表された。研究成果のポイントとして、『抗体価の平均値は2回目接種後に比べて3ヶ月後は大幅に低下』、『性別・年代を問わず全ての被検者で抗体価は低下』と発表されている。

3か月というのがまた微妙な期間かなと思ったのは、イスラエルでブースターショットなる3回目の接種が必要だという話につながるかなと思ったからである。ブースターショットについては、これも思うところはあるけれど、またその話は後日出来たら述べてみたいと思う。

OurWorldinDataでそれを検証してみよう。まずは100人当たり何回ワクチンを接種したかであるが、4月半ばで概ね120回で3か月程増加が無い状態である。ちなみに日本のワクチン接種回数もグラフにしてみよう。

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出典:OurWorldInData 2021/8/28時点の人口100人当たりのワクチン接種回数

今度は、毎日の新規感染者数の推移を示してみよう。

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出典:OurWorldInData 2021/8/29現在の人口100万人当たりの新規感染者数(7日間平均)

イスラエルのワクチン接種回数があまり増加していない期間は新規感染者数が殆どいない状況であると思われる。4月15日から6月15日の間隔で見たら2か月であるけれど、そこから新規患者数が増加している。イスラエルと日本では検査対象の数が結構違うので、日本よりも感染がヒドイという風に判断するのは早計かもしれない。下図のように検査の数が10倍以上違うのだから。

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出典:OurWorldInData 2021/8/29現在の人口1,000人当たりの検査数(7日間平均)

この3つのグラフから、イスラエルで起きている感染者数の増大は、ワクチンの効果が薄れてきた時期にアルファ株からデルタ株優位になったことなのかと推察する。ワクチンの設計が武漢株?従来株のRNAデータなのでそれはそれで対応しきれていないということは致し方がない(重症化は防いでくれているようなのだから)。仮に私の接種時期から抗体の減少を考えると、9月上旬の3か月後は12月上旬となり、新たな波がやってくるかどうかという時期なのかもしれない。

2回目を摂取して2週間程度経過して抗体価が高くなるようなので、油断することなく日ごろの感染対策を怠らずにやっていくしかないと思っている。あと、抗体価は個人差があるので、ワクチン接種を推奨するとともに抗体検査も行えるように行政が動いてくれるといいかもしれない。風疹の抗体検査およびワクチン接種のクーポン券のように配布して、血液検査を受けることができればいいと思う(コストはかかるけど)。

余談であるけれど、私は昨年風疹のクーポンが届いたので、毎年の健康診断の血液検査のついでに風疹の抗体検査を行った。ついでにできるのであれば、採血も1回で済むし、医療機関としてもついでに検査項目を追加するのだからウェルカムかなと思ってしまう。私は風疹は幼児期にり患したので抗体価は256倍(検査方法:HI 法)だった。ということで風疹のワクチン接種は行わなかった。

全国の新規感染者性者の状況 (2021/8/30)

8月も終わりになるけれど、新規感染者数はなかなか減らない。

直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は以下の通り。

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直近1週間当たりの人口10万人当たりの新規感染者数

データ出典:NHK特設サイト新型コロナウイルス

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/

前回と同じように全国、東京都、愛知県の週平均の新規感染者数の棒グラフを示すが、全国は赤から灰色にした。赤は日の丸を意識してそうしたけれど赤と緑のバランスがよろしくないので変更した。東京都はマークが緑色だし、愛知県は青色だからそうしている。

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週平均の新規感染者数。左から全国、東京都、愛知県

データ出典:NHK特設サイト新型コロナウイルス

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/

これを見ると、東京は一見ピークアウトしたように見える。全国は高止まりで、愛知県はまだ増えそうな感じがする。この時点でピークアウトと言っていいかどうかは判断しかねるが、傾向的にはそういう風に見える。

今度は、新規感染者数から実行再生産数を算出してプロットしてみると、8/29時点では全国は0.984、東京都は0.852、愛知県は1.358であった。実行再生産数が1に近い全国は横ばい、東京都は1より小さいので下降、愛知県は1より大きいので上昇する傾向があるのではないかと思う。新規感染者数と実行再生産数は、新型コロナデータサイトで閲覧可能であるが、複数の実行再生産数の折れ線グラフをプロットすると傾向が良くわかるような気がする。であれば、上の全国地図のように上位10都道府県の内容をプロットしてみると、傾向がよりわかるかもしれないが、ぐちゃぐちゃになるだろう。

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新規感染者数と実行再生産数

データ出典:NHK特設サイト新型コロナウイルス

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/

学校が夏休みであった時期は、オリンピックやお盆休みなどイベントがあったが、これまでの推移は上述のグラフの通りだけれど、9月からは学校が始まる。北海道や一部地域では既に学校が始まっているが、早く始まった地域の動向を注視して感染の拡大を少なくする取り組みが臨まれる。

これでもかというくらい感染対策を実施しても、感染者が出てしまうデルタ株なので、空気感染、エアロゾル感染という認識を持った方が良いと思う。

 

鎮痛剤(アセトアミノフェン)とそれにまつわる話(米国在住時)

ワクチン接種後の発熱を緩和させるために鎮痛剤を服用することを耳にする。自分の体にあわせて必要があれば服用すればよいと思っている。今回は文字が多くなってしまった。

私が思う米国の代表的な鎮痛剤4種

25年も前にアメリカに滞在したときにドラッグストアで売っている薬については鎮痛剤をよく学んだ。他は学んでいない。胃薬はあまり縁がなかったしもっぱら風邪薬を服用することが多かったので。

ドラッグストアでタイレノールアセトアミノフェン)を購入してそれを指示通りに服用していた。たいていの風邪っぽい症状はタイレノールでカバーできたし、頭痛がある場合はアスピリン。喉が痛いときはアドビルイブプロフェン)。交通事故で追突されれ腰が痛かったときはナプロキセンを処方された。この4種類が代表的な鎮痛剤で、今は無いかもしれないが、当時の日本語のアメリカの市販薬の解説を頼りに服用していた。

当時は確か20ドル近い本を買ったと記憶しているけれど、今はサイトでこうした情報(ニューヨーク便利帳)を提供してくれている。

一時帰国でタイレノール何箱かカバンに入れてたら通関にチェックされた

鞄に3、4箱入れていたら、通関で中身チェックされた。覚せい剤の成分になる疑いのものが入っているかどうか、カタカナがいっぱい書かれていた内容の書類とパッケージの成分とチェックが入った。当時とはパッケージも異なっていたが、Tylenol Fluというヒドイ風邪あるいはインフルエンザ用のものを通関で持っていたと思う。ちなみに下の商品は昼用が18錠、夜用が6錠で、6~7ドル程度で購入できる。3日分であるけれど、1日分服用して回復感が結構感じたと記憶している。当時体重が80~90㎏あったけど、薬が強いなと感じた。

www.tylenol.com

含有成分は以下のようだ。

昼用

夜用

服用の方法

  • 指示された以上の量を服用しないでください(過剰摂取の警告を参照)。
  • 12歳以上の大人および子供は、4時間ごとに2カプレットを服用してください。
  • 砕いたり、噛んだり、溶かしたりせず、そのまま飲み込んでください。
  • 24時間以内に10個以上のカプレットを服用しないでください。
  • 12歳未満の子供は医師に相談してください。

幸い日本国内ではダメな成分はなかったにせよ、当時は『こんなことで御縄になるか。しょうかないなあ』と腹をくくっていたけれど、今振り返れば私にとってはいい思い出話だ。推測だけれど、塩酸メチルエフェドリンが含まれていれば引っかかったと思うが入っていなかった。

 

日本とアメリカは医療システムが違う

この話を始めると、私が経験したことでコンテンツができてしまうが、3点述べてみよう。保険の話と、病院に通院する話と、売られている薬の話。全部断片的ではなしは完結できていない。

日本は国民皆保険制度があるが、私が米国滞在した当時はオバマケアなるものはなく、HMO (Health Maintenance Organization)プランに加入して病院に掛かることができる手段を得ていた。これとは別に歯科保健もありそれにも加入した。いずれも保険の適用できる範囲があり、それ以外は基本的に自己負担になる。例えば救急車に乗る場合は有料になる。

日本ではかかりつけ医に通って薬を出してもらう。そして服用したほうが3割負担でも保険が使えるのでその方が安いとみる見方ができるかもしれない。薬局で市販薬を購入するよりも払うお金が少ないかもしれない。例えばアメリカで風邪を引いた場合は、自分の主治医に電話してコンサルを受ける。病院での診察が必要であればアポイントを取ることになるが、たいていの場合は、ドラッグストアで売っている薬を服用して様子をみなさいという話で終わる。ボストン在住時にはもちろん日本語を話すことができる医師もHMOのドクターリストから選ぶことができたが、場所が遠かったりすると選択肢から外れる。

ドラッグストアで販売されている薬も、メーカー品とドラッグストアのプライベートブランド品の両方があり、プライベートブランド品の方が安価である。成分は同じにしても、錠剤の構造や溶け方については異なるかもしれないが、基本的には病院での医療費は日本より高額なので、軽い症状であればこうした薬で様子を見るというのが基本かもしれない。

アセトアミノフェン

鎮痛剤、アセトアミノフェンタイレノール結構種類が多いので最初は何を選んだらよいか戸惑ってしまった。ベーシックなタイレノール1錠500㎎のアセトアミノフェンが含まれており12歳以上あるいは成人の用法は、take 2 tablets every 6 hours while symptoms last do not take more than 6 tablets in 24 hours, unless directed by a doctor
do not use for more than 10 days unless directed by a doctor(症状が続く限り、6時間ごとに2錠ずつ服用し、医師の指示がない限り、24時間以内に6錠以上服用しないでください。医師の指示がない限り、10日以上の使用は避けてください。)

恐らく、日本の市販薬でアセトアミノフェンが含まれているものであれば、1日総量のアセトアミノフェンタイレノールの用法だと1回に飲む量である。6錠を超えないということで、1日3,000mgという量である。基準の体重をどこに設定するかにもよるが、私が感じているのは日本でいえば処方箋のレベルの用法だと思う。成人の標準体重の設定は60㎏程度であろうか?

大事なことは、アセトアミノフェンは肝臓で代謝されるので、飲酒を絶対にしないこと。ひどければ肝臓摘出ということにもなりかねない。そういう話も現地で聞いていたので、風邪薬とお酒はやらなかった。

日本で市販薬を服用するときは、アセトアミノフェンが含まれた黄色い粉末の薬を購入することがある。この薬が私の体には合っているように思っていることもあってね。

コロナワクチン接種後の推奨鎮痛剤は?

アセトアミノフェン一択だと私はずっと思っていたが、そうではなかった。

情報をアップデートしてみるとノーベル賞受賞の山中先生のサイトには、アセトアミノフェンに限らず現在はアスピリン、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も服用してよいと書いてあった。ということは自分の体に合う鎮痛剤がよいということを理解した。

www.covid19-yamanaka.com

ただ、鎮痛剤は品薄のようで、厚労省もそれに対する通知『アセトアミノフェンを含有する解熱鎮痛薬(OTC)の需給逼迫対応について(事務連絡 令和3年6月18日 厚生労働省医政局経済課)』を出している。

 

鎮痛剤アセトアミノフェンとNSAIDsでどう違うかは、下記のサイトが参考になると思う。服用しないに越したことはないけれど、体に合う、合わないということも考慮していくとよいのではないでしょうか?

www.kusurinomadoguchi.com

 

高脂血症治療薬フェノフィブラートがSARS-CoV-2のACE2結合を妨げるようだ

私が新型コロナウイルスSARS-CoV-2による感染症 (COVID-19)で、一番関心があるのは、変異株がなぜACE2に結合しやすくなるのか、ACE2に結合させない手段はあるのかということである。そうした知識を習得して自身が感染しないように努めているところだ。またデルタ変異株が定性的に『感染しやすくなる』と聞くよりも定量的に『何倍感染しやすくなる』と言われた方が理解しやすいので、そうした数字に関わる裏をとることも関心がある。

本題に戻るが、既存の高脂血症を治療する薬がSARS-CoV-2をACE2に結合させることを妨げる働きがあるという内容のYouTubeを視聴した。

www.youtube.com

このYouTubeから、該当する論文や専門家が解説している内容を一応読んでみてそれを書いてみたい。

高脂血症は私も肥満だった(BMIがmaxで30)10年以上前に健康診断で指摘されたが、薬を処方するまでには至らなかった。現在はBMIでいうと22程度で落ち着いているが、高脂血症治療薬で、フェノフィブラートという薬剤があるようだ。

 

このYouTubeで引用していた記事は以下のものだ。

www.medicalnewstoday.com

要旨は、

  • 実験室での研究によると、安価なジェネリック医薬品が、ヒトの細胞におけるSARS-CoV-2の感染を最大70%減少させることがわかった。
  • フェノフィブラートと呼ばれるこの薬は、コレステロール値を調整するだけでなく、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質を不安定にし、ヒトの細胞への結合を阻害する。
  • この薬は、科学者たちが試験管内でテストしたすべてのSARS-CoV-2の亜種に有効であった。

ここでの亜種(変異株)はアルファ株とベータ株で、デルタ株については現在研究中とのことである。

この研究成果をまとめた論文『(DeepL翻訳)高脂血症治療薬フェノフィブラートが、細胞培養モデルにおけるSARS-CoV-2の感染を有意に減少させることが明らかになった』

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphar.2021.660490/full

www.frontiersin.org

概要は(DeepL翻訳)

  • 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)のパンデミックは、多数の死亡者と世界的な混乱を引き起こしている。
  • 我々は、SARS-CoV-2感染症の治療に再利用できる薬剤を特定するために、ウイルスの主要な受容体であるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の二量体化を測定するスクリーニングを確立した。
  • このスクリーニングにより、フェノフィブラートの活性代謝物であるフェノフィブリン酸が同定された。フェノフィブリカンは、ウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)を不安定にし、酵素結合免疫吸着法(ELISA)および全細胞結合法において、RBDのACE2への結合を阻害した。
  • フェノフィブラートとフェノフィブリン酸は、独立した2つの研究機関において、2種類のSARS-CoV-2分離株を用いて、培養したVero細胞への感染を測定した。その結果、フェノフィブラートとフェノフィブリン酸は、臨床的に使用可能な濃度で、ウイルス感染を最大70%減少させることに成功した。
  • 本研究により、フェノフィブラートがSARS-CoV-2感染症の治療薬として早急な臨床評価を必要とする可能性が示された。

 

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出典:The Hyperlipidaemic Drug Fenofibrate Significantly Reduces Infection by SARS-CoV-2 in Cell Culture Models Figure.6 英語を翻訳した

フェノフィブラートがSARS-COV-2感染症の治療を改善する可能性のあるメカニズム。フェノフィブラートの代謝物であるフェノフィブリン酸は、ACE2の二量体化を促進し、RBDを不安定にし、感染症を減少させる可能性のある代謝作用を発揮すると考えられている。また、フェノフィブリカットには抗炎症作用があるため、免疫反応を鈍らせ、症状を軽減させる可能性があります。最後に、フェノフィブリカンは、血小板の活性化および凝集を抑制し、SARS-COV2患者に見られる血行動態の問題を軽減することが期待される。

こうした実験室レベルの研究成果は、必ずしも治験の結果と一致するかどうかは現時点では不明なのでその点は理解しないといけない。フェノフィブラートは処方薬なので、医師と相談することが必要だと思う。薬剤の作用機序と体と相談することになるので。

 

フェノフィブラートについては、これよりも前にCOVID-19の治療になるような話があったようだ。私は知らなかっただけだけれど、以下のコンテンツも合わせて学ぶといいと思った。

jglobal.jst.go.jp

news.yahoo.co.jp

感染対策のアクリル板はエアロゾルまでは対応できない

透明のアクリル板があると、あたかも『感染対策やってます』的なイメージで私は安心してしまう。そういう風に脳に刷り込まれているのだろうか? アブナイ、アブナイ。

気になりだすのは、デルタ株が従来のそれと感染力が違うので、昨年の基準と同等に考えると感染が成立してしまう。例えば、保育園で感染対策しっかりやってます、といってこれまで集団感染の話は聞こえてこなかったのに、最近そういう話が聞こえてくる。スパイクたんぱく質N501Yの変異でACE2にくっつきやすくなったイギリス株と言わずアルファ株ではまだそんなにひどくはなかった。当時はまだワクチン接種が殆どなかったので、感染の重症化で亡くなる人が多かった。デルタ株はスパイクたんぱく質L452Rの変異でACE2にくっつきやすくなったこともそうだけれど、それに加え免疫を回避するために邪魔されずにACE2にくっつくことができてしまうので、感染力が高いとされている。子供はACE2の数が成人よりも比較的少ないから以前は感染がまれだったかもしれないが、デルタ株は様相が全然違う。FCI NYのYouTubeで学んでいるが、アメリカでも子供の重症化が深刻になっている。こうしたことから、前提が大きく変わっていることを認識して対策を検討したほうが良いことは言うまでもない。

冒頭が長すぎてしまったが、さて本題に戻ろう。下記の記事を最近読んだ。

news.yahoo.co.jp

ちょっと前に、下記の本をちらっと見たことを思い出して、ビニールカーテンやパーテーションは逆にリスク増大という内容と一致しているからだ。

www.gentosha.co.jp

飛沫や粒子が大きければ重力で下に落ちるから空中に漂わない。だけれど小さくなれば、それ自体軽いので空中を漂い続ける。密になってエアロゾルが多くなったり、換気が十分でなければ、その中にあろうウイルスに対する感染が成立する確率が高くなる。

決してアクリル板が役に立たないということを言うつもりは毛頭ないが、他の対策も追加して、短所とされるエアロゾル対策も行うことで、感染確率を下げることができるのではないかと思う。

マスクについても別ブログで上げた呼気の可視化の映像をみたらなおさら注意が必要になった。この手の映像はいろいろあって、電子タバコの煙を例にマスクの遮蔽効果を見せてくれたり、探すとヒントになることがあると思っている。

前提が大きく変わっているので何がリスクなのか本質を見極めることが大事だと思うわけだけど、アクリル板があるから安心だとは思ってはいけないと思う。

新型コロナをウイルス感染症を「5類感染症」に?

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)は病状によっては致死性が高くなるので、現行感染症法の分類に当てはめることができるのかどうなのかがわからない。こうしたことは過去の内容があるため、それに対してどうだという考え方が前提となるので、現時点では第2類相当という言い方をしているのかもしれない。

 

現時点ではCOVID-19は感染症法の2類相当にカテゴライズされている。

新型コロナウイルス感染症の措置について 厚生労働省 (2020/9/10)

新型コロナウイルス感染症の感染症法の運用の見直しについて 厚生労働省 (2020/9/24)

 

2類相当から5類にという話がある。そうすれば医療崩壊がなくなるようなストーリー。でも実際のところどうなのだろうと思うところがある。

news.yahoo.co.jp

times.abema.tv

 

私が一つ思うところは、医療費が全額公費負担か、保険適用による3割負担かという話につながっていくのではないかなというところだ。最近承認された軽症者対象の抗体カクテル療法は現行のCOVID-19は2類相当であることから薬価は収載されていない。しかし第5類となった時点で、病院に行く、診察を受ける、治療を受けるとなると第2類のカテゴリーからはずれるので公費負担ではなくなる。医療費が高額になったとしても、限度額適用認定というセーフティーネットで大きな負担は避けられるとは言うものの、風邪でかかりつけ医に行く話とはだいぶ異なるのではないかと思う。

インフルエンザについて話をする。高熱、2日、3日安静に寝て、水分とって汗を出して治した経験がある。最近罹患したのは9年前で、さすがに懲りたのでそれ以来毎年予防接種を受けている。だた、このインフルエンザはCOVID-19のように急激に病状が悪化して肺炎になり致死率が変わるということはないかもしれない。新型インフルエンザはウイルスによって致死性は異なるとのこと。 

 

CDCが7月下旬に、デルタ変異株は水痘 (chikenpox)と同等の感染力をもつと報道した。水痘は致死性は限りなくゼロに近いところにある。しかし、SARS-CoV-2 (Delta Variant) は、下図からすると基本再生産数R0は5~9とし(CDCの当時の発表では8~9と言っていた)、致死性は0.1~1パーセントとしている。点ではなく面で表示されていることは、いろんな意味があるように推察する。

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出典:CDC 

https://fm.cnbc.com/applications/cnbc.com/resources/editorialfiles/2021/07/30/CDC_slides.pdf

 せめて、今治療ができる経口薬(飲み薬)があれば、自宅療養で苦しい思いもせずにという念がふつふつ湧いてくるが、まだ国が承認されたものは出ていない。私は有効性がまだ認められていないけれど、ある程度のリスクは考えてそれを天秤にかけてイベルメクチンを早く使えばと思っている。実際に関西地方のある開業医の先生はそれを投与して病状を改善しているということを聞いたことがある。しかしながらイベルメクチンがもう手に入らないという現状でもうにもならないらしい。

経口薬については国内製薬会社が治験を進めている。また、海外製薬会社のものについては第3相の試験が行われているようだ。こうした抗ウイルス薬が早く使えるようになれば、逼迫度合いが緩和されるであるう。ワクチンと同じように世界中で争奪戦が繰り広げられるかもしれないが、だんだんと治療の手段が出てくることに期待したい。

それにしても、1年前のCOVID-19とは現状は全く異なってきているので、認識を誤ると大変なことになる。この冬は第6波を想定して早く対応しないと状況はますます悪化するので気を付けないといけない。私が懸念するのは、ラムダ株に代わるのか、ウイルス耐性の変異株が出てくるのか、基本再生産数が水痘並みから麻疹並みになるか、ということである。ウイルスだって生き延びるためには弱毒化していくという話もあるが、デルタ株を見る限りより狂暴になっている感じさえしてしまう。

 

8月最終日で1日の新規感染者数は最大3万人程度だろうか?

何回か引用させていただいた宮崎県の日本全国の感染状況を示す地図はすべて紫色になってしまった。このような状況になるとは思っていなかっただろうし、それだけ蔓延しているデルタ変異株が異常であるということを裏付けるものだと感じる。

 

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出典:宮崎県 新型コロナウイルス感染症対策特設サイト 

https://www.pref.miyazaki.lg.jp/kansensho-taisaku/covid-19/yobo/hassei.html

近似式で数を予測するのは困難であるけれど、これは8月の終わりまではとりあえず続ける。8/25日の新規感染者数が24,321人(NHK発表)とのことで、60日以上の変化からすれば、2次式の25,200人と3次式の24,052人の範囲に含まれた。

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1日当たりの新規感染者数と近似式 8/25現在

東京都が全国に占める割合は20%を下回ってきたようだ。東京都はこれから爆発的に増えるとは思えない。必要とされる人に必要な検査ができている状況ではないことが想定されるからだ。ただ、9月に入って学校が始まると、様相が変わってくることも想定して、対策を考えないといけない。家庭内感染で全員感染してしまって動けなくなってしまったという状況が容易に想定できるからだ。中にはワクチン接種の方が命に係わるリスクが大きいとされ、医師から接種を見合わせている人が家族にいるのであれば、なおさらそうしたリスクに注意しないといけないであろう。

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新規感染者数(全国)と東京都の割合 8/25現在

 第35週(8/22~8/28)は週前半のデータで棒グラフを表示しているが、東京都は先週をひょっとしたら超えなくなるかもしれない。ただ、PCR検査が追い付いていなければ、毎日の報告が判断を誤らせてしまうことを懸念する。一方愛知県は先週をすでに超えている。全国平均は、木、金、土と数が加わると先週と同等かそれ以上になるだろう。東京の割合が小さくなってきていることから、東京都連動は直接的には無いかもしれない。ピークアウトは見通せないと最近思うようになった。

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週平均の新規患者数  全国(赤)、東京都(緑)、愛知県(青)

35週(8/22~8/28)は8/22~8/25の平均で表示

 9月から学校始まるし、不安をどうやって打ち消して前へ進んでいけるか。こうしたことを模索していくことが今は大事かもしれない。