デルタ株特有の変異 P681Rは病原性を高める可能性がある
東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授ら若手研究者のチームが着目したのは『P681R』というデルタ株特有の変異
という内容のニュースをANNだったかな、ビデオクリップをYouTubeで見た記憶があるのだけれど、書いているときに探してみたら無かった。7月20日に公開されたようだが、どこも削除されていた。
でもNHKには現時点ではまだあった。
査読前論文は下記のもの。
(DeepL翻訳:SARS-CoV-2スパイクのP681R変異は、デルタ変異株の特徴であり、ウイルスの融合性と病原性を高める)
要約(Abstract)の説明は以下であるが、これもDeepLで翻訳
- 今回のSARS-CoV-2パンデミックでは、ウイルスゲノムに様々な変異が蓄積されており、現在、4つのVOC(variant of concerns)が人類社会にとって危険なSARS-CoV-2の亜種と考えられている。
- 新たに登場したVOCであるB.1.617.2/Delta変異株は、2021年春にインドで発生したCOVID-19の大流行と密接に関連している。
- しかし、そのウイルス学的特性はいまだ不明である。
- 本研究では、B.1.617.2/Delta変異株が高い発火性を持ち、特にハムスターに感染させた場合、原型のSARS-CoV-2よりも病原性が高いことを明らかにした。
- SARS-CoV-2では、スパイクタンパク質のP681R変異が、スパイクタンパク質の切断を促進し、ウイルスの病原性を高めている。
- さらに、P681Rを持つウイルスは、親ウイルスよりも高い病原性を示すことを実証した。
- これらの結果から、P681R変異は、B.1.617.2/Delta変異株のウイルス表現型を特徴づける特徴であり、病原性の増強と密接に関連していることが示唆された。
www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
NHKのニュースには上述の要約をかみ砕いて説明してくれている。(抜粋)、
- 新型コロナウイルスに感染すると周囲の細胞が壊れて融合し、塊ができることが分かっていますが、実験の結果、この変異があると従来のウイルスに比べて平均で2.7倍、大きい塊ができた。
- さらに、この変異があるウイルスに感染したハムスターは、感染から1週間後の体重が従来のウイルスに感染した場合と比べて4.7%から6.9%、余分に減少することも確認した。
- ウイルスは一般的に細胞の塊が大きくなるほど症状を引き起こす力が強くなる
- デルタ株では、この変異がある影響で病原性が高まっている可能性がある。
ということだ。
ANNのニュースで見た塊の比較の画像を探してみた
塊の画像は、従来のものと(B.1.1系統)、P681R変異があるデルタ株(B.1.617.1系統、B.1.617.2系統)の比較で2つだったが、画像を検索すると、いろいろなものがヒットする。研究者御本人のTwitterまでヒットした。こちらを引用する。写真の右下のスケールは100μmのようだ。
これらの説明からは、デルタ変異株はより狂暴な振る舞いをする気を付けないといけない感染症であることが分かった。急激に症状が悪化すると手の施しようがなくなってしまう度合いが一段と強くなると推測する。在宅医療を推奨するものなら、助かる命が助からなくなる。