スーパースプレッダは感染源になりうるか?
SARS-CoV-2のデルタ変異株は、今までのそれとは別物でとにかく感染力が強い。商業施設(デパ地下など)や、学習塾、美容院などでも感染があったという報道を聞いた。どこも、感染対策はやってましたという回答ではある。大声を出すような状況でもないだろうし、なぜそんなにまで感染が成り立つのかというはてなが頭に一杯浮かんでしまう。
2つ挙げるとするならば、以下のポイントだ。
- 換気をしっかりおこなわれているのか
- スーパースプレッダがいたのかどうか
換気がしっかり行われているか?
換気については、ブログを始めたころに書いたけれど、基準を満たすかどうかを実際に流量測定することは困難かもしれない。窓がある建物であれば、窓を開けて換気を担保することができるだろうし、窓が無い建物であれば、建物の排風システムが要件を満たしているかどうかということになる。
それなりに対策して今までは発生していなかったのにデルタ変異株になってから発生するのであれば、デルタ変異株がそれだけ感染力が増加したため今までの対策では不十分であるという可能性が伺える。
君子危うきには近寄らずのように、換気が悪いような雰囲気であればそういう場所を避けることが賢明かもしれない。あるいは窓を開けるなりして換気が可能であれば換気ををした方がいい。この時期、ハエや蚊、さらには蜂が入ってくるとかでそれで窓を開けたくないマインドが働くこともあるかもしれないけれど、賢く対応していきたいと思う。
スーパースプレッダー
ウィキペディアでは、『スーパー・スプレッダーは、感染症を引き起こす病原体に感染したホストのうち、通常考えられる以上の二次感染例を引き起こす者を指す。スーパー・スプレッダーは、自分以外の多くの人へ感染を拡大させることから、感染症コントロール・感染症疫学上での大きな懸念材料となる。 』
かんわいんちょーさんのYouTubeでスーパースプレッダーのコンテンツがある。このコンテンツで引用されている論文の概要で結論として『(研究の対象のコミュニティーで)わずか2%の人が、コミュニティ内を循環するウイルスの90%を保持しており、ウイルスの「スーパーキャリアー」として、さらには「スーパースプレッダー」としての役割を果たしていることがわかった。』と書かれていた。
ここで引用されている論文は2021年3月に投稿され4月に出版されている。” all of the samples analyzed herein were collected before the B.1.1.7 (“U.K.”) SARS-CoV-2 variant,”
と記載されていることから、アルファ株以前の内容であることに注意したい。別の言い方をすれば、感染力が強くない従来株での話で考えましょうねということかもしれない。
スーパースプレッダーについては、2003年のSARSの話で以下のような記事で説明されている。
東京オリンピックでは、その懸念がされていたが、今後の動向を注視したい。それよりも、今の東京を何とかしないと大変だ。
シカゴの音楽イベントがあって1週間ほど経過したときに、影響はなかったという報道があった。
換気やマスクなど基本的な対策を怠らず、エアロゾル感染のリスクが小さくなるよう過ごすことが大事だと改めて思った。