ACE2を減らす意外な物質。それはタバコの煙だって
タバコの煙のある成分がACE2を減らす。胃潰瘍治療薬も加わるとさらに減る(ホントに!)
広島大学のコンテンツの一部を使って述べるが、
たばこの煙に含まれる芳香族炭化水素受容体(AHR; Aryl Hydrocarbon Receptor。様々なアリール炭化水素(=多環芳香族炭化水素)などを リガンドとして結合するタンパク質。)がACE2(Angiotensin-converting enzyme 2(アンギオテンシン変換酵素2)の略称。細胞の膜に存在する膜タンパク質の一つ)を減らすということだ。
scientific reportsに掲載されている図が広島大学の頁で翻訳されていたのでそれを下に示す。
上図には、胃潰瘍治療薬やトリプトファン代謝物がAHR(芳香族炭化水素受容体)の働きを手助けしていることを説明しているが、これらが組み合わさると、下図のグラフのように、ACE2の発現量が劇的に少なることが示されている。
感染リスクを避けるためには、喫煙を止めなさいという話が通常であると思うが、これは逆の発想のようにも思える。副流煙は悪といわれているが、その認識はすぐ変わることはないと思う。また決して喫煙を推奨するということではないにしても、こうした物質が、ACE2の発現量を少なくするというファクトは凄い発見だなと思った。別の言い方をすれば、たばこの煙の中のAHRはコロナ感染を避けるにはいいので、これを使って何かできればいいよということなのかもしれない。