鎮痛剤(アセトアミノフェン)とそれにまつわる話(米国在住時)
ワクチン接種後の発熱を緩和させるために鎮痛剤を服用することを耳にする。自分の体にあわせて必要があれば服用すればよいと思っている。今回は文字が多くなってしまった。
私が思う米国の代表的な鎮痛剤4種
25年も前にアメリカに滞在したときにドラッグストアで売っている薬については鎮痛剤をよく学んだ。他は学んでいない。胃薬はあまり縁がなかったしもっぱら風邪薬を服用することが多かったので。
ドラッグストアでタイレノール(アセトアミノフェン)を購入してそれを指示通りに服用していた。たいていの風邪っぽい症状はタイレノールでカバーできたし、頭痛がある場合はアスピリン。喉が痛いときはアドビル(イブプロフェン)。交通事故で追突されれ腰が痛かったときはナプロキセンを処方された。この4種類が代表的な鎮痛剤で、今は無いかもしれないが、当時の日本語のアメリカの市販薬の解説を頼りに服用していた。
当時は確か20ドル近い本を買ったと記憶しているけれど、今はサイトでこうした情報(ニューヨーク便利帳)を提供してくれている。
一時帰国でタイレノール何箱かカバンに入れてたら通関にチェックされた
鞄に3、4箱入れていたら、通関で中身チェックされた。覚せい剤の成分になる疑いのものが入っているかどうか、カタカナがいっぱい書かれていた内容の書類とパッケージの成分とチェックが入った。当時とはパッケージも異なっていたが、Tylenol Fluというヒドイ風邪あるいはインフルエンザ用のものを通関で持っていたと思う。ちなみに下の商品は昼用が18錠、夜用が6錠で、6~7ドル程度で購入できる。3日分であるけれど、1日分服用して回復感が結構感じたと記憶している。当時体重が80~90㎏あったけど、薬が強いなと感じた。
含有成分は以下のようだ。
昼用
- アセトアミノフェン 325mg
- デキストロメトルファンHBr(臭化水素酸塩水和物)10mg
- グアイフェネシン 200 mg
- フェニレフリンHCI (塩酸塩)5mg
夜用
- アセトアミノフェン 325mg
- マレイン酸クロルフェニラミン 2 mg
- デキストロメトルファンHBr(臭化水素酸塩水和物)10mg
- フェニレフリンHCI (塩酸塩)5mg
服用の方法
- 指示された以上の量を服用しないでください(過剰摂取の警告を参照)。
- 12歳以上の大人および子供は、4時間ごとに2カプレットを服用してください。
- 砕いたり、噛んだり、溶かしたりせず、そのまま飲み込んでください。
- 24時間以内に10個以上のカプレットを服用しないでください。
- 12歳未満の子供は医師に相談してください。
幸い日本国内ではダメな成分はなかったにせよ、当時は『こんなことで御縄になるか。しょうかないなあ』と腹をくくっていたけれど、今振り返れば私にとってはいい思い出話だ。推測だけれど、塩酸メチルエフェドリンが含まれていれば引っかかったと思うが入っていなかった。
日本とアメリカは医療システムが違う
この話を始めると、私が経験したことでコンテンツができてしまうが、3点述べてみよう。保険の話と、病院に通院する話と、売られている薬の話。全部断片的ではなしは完結できていない。
日本は国民皆保険制度があるが、私が米国滞在した当時はオバマケアなるものはなく、HMO (Health Maintenance Organization)プランに加入して病院に掛かることができる手段を得ていた。これとは別に歯科保健もありそれにも加入した。いずれも保険の適用できる範囲があり、それ以外は基本的に自己負担になる。例えば救急車に乗る場合は有料になる。
日本ではかかりつけ医に通って薬を出してもらう。そして服用したほうが3割負担でも保険が使えるのでその方が安いとみる見方ができるかもしれない。薬局で市販薬を購入するよりも払うお金が少ないかもしれない。例えばアメリカで風邪を引いた場合は、自分の主治医に電話してコンサルを受ける。病院での診察が必要であればアポイントを取ることになるが、たいていの場合は、ドラッグストアで売っている薬を服用して様子をみなさいという話で終わる。ボストン在住時にはもちろん日本語を話すことができる医師もHMOのドクターリストから選ぶことができたが、場所が遠かったりすると選択肢から外れる。
ドラッグストアで販売されている薬も、メーカー品とドラッグストアのプライベートブランド品の両方があり、プライベートブランド品の方が安価である。成分は同じにしても、錠剤の構造や溶け方については異なるかもしれないが、基本的には病院での医療費は日本より高額なので、軽い症状であればこうした薬で様子を見るというのが基本かもしれない。
アセトアミノフェン
鎮痛剤、アセトアミノフェンはタイレノール。結構種類が多いので最初は何を選んだらよいか戸惑ってしまった。ベーシックなタイレノール1錠500㎎のアセトアミノフェンが含まれており12歳以上あるいは成人の用法は、take 2 tablets every 6 hours while symptoms last do not take more than 6 tablets in 24 hours, unless directed by a doctor
do not use for more than 10 days unless directed by a doctor(症状が続く限り、6時間ごとに2錠ずつ服用し、医師の指示がない限り、24時間以内に6錠以上服用しないでください。医師の指示がない限り、10日以上の使用は避けてください。)
恐らく、日本の市販薬でアセトアミノフェンが含まれているものであれば、1日総量のアセトアミノフェンがタイレノールの用法だと1回に飲む量である。6錠を超えないということで、1日3,000mgという量である。基準の体重をどこに設定するかにもよるが、私が感じているのは日本でいえば処方箋のレベルの用法だと思う。成人の標準体重の設定は60㎏程度であろうか?
大事なことは、アセトアミノフェンは肝臓で代謝されるので、飲酒を絶対にしないこと。ひどければ肝臓摘出ということにもなりかねない。そういう話も現地で聞いていたので、風邪薬とお酒はやらなかった。
日本で市販薬を服用するときは、アセトアミノフェンが含まれた黄色い粉末の薬を購入することがある。この薬が私の体には合っているように思っていることもあってね。
コロナワクチン接種後の推奨鎮痛剤は?
アセトアミノフェン一択だと私はずっと思っていたが、そうではなかった。
情報をアップデートしてみるとノーベル賞受賞の山中先生のサイトには、アセトアミノフェンに限らず現在はアスピリン、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も服用してよいと書いてあった。ということは自分の体に合う鎮痛剤がよいということを理解した。
ただ、鎮痛剤は品薄のようで、厚労省もそれに対する通知『アセトアミノフェンを含有する解熱鎮痛薬(OTC)の需給逼迫対応について(事務連絡 令和3年6月18日 厚生労働省医政局経済課)』を出している。
鎮痛剤アセトアミノフェンとNSAIDsでどう違うかは、下記のサイトが参考になると思う。服用しないに越したことはないけれど、体に合う、合わないということも考慮していくとよいのではないでしょうか?