kennyheadway's thinking

こちらは日々思うこと、COVID-19について思うこと述べていくことになりそうかな。

新たな変異株 C.1.2(南アフリカ)

余談だけれど、ブログを書くのに、「”」というボタンがあることに今頃気が付いた。これは「引用」ということなので、私も記事を翻訳したりそのまま張り付けるときはこれから使ってみようと思う。今回は複数のニュースからたくさん引用した。

今回は新たな変異株について述べてみたいが、日本国内では「ミュー株」なる変異株が見つかったと大騒ぎだ。ちょっと前にC.1.2系統と呼ばれる新たな変異株が南アフリカで見つかったというニュースが流れたので、これにフォーカスしてみたい。CNNは8/31にそれを報道していた。

edition.cnn.com

コロナウイルスの新種に注目していた遺伝学の研究者たちは、アルファ、ベータ、ガンマなどの他の株と同じ特徴を持つ、厄介な新系統を発見したと発表した。

研究者たちが注目している「C.1.2」と呼ばれる亜種は、南アフリカをはじめ、アフリカ、アジア、太平洋地域の7つの国で出現しているという。C.1.2は、南アフリカをはじめ、アフリカ、アジア、太平洋地域の7つの地域で発生しており、その変異の組み合わせがより危険なものであるかどうかは定かではありませんが、他の亜種の感染力を高めたり、免疫系の反応をある程度回避する能力を与えたりしている変化を持っています。
変異が多いからといって、必ずしも危険性が増すわけではありません。変異の中にはウイルスを弱体化させるものもありますし、ウイルスがより効率的になるかどうかは、変化の組み合わせによって決まります。一つの変異が他の変異の効果を打ち消してしまう可能性もある。
しかし、南アフリカ国立感染症研究所のウイルス学者ペニー・ムーア氏を含む研究チームは、この問題に注目しているという。
「現在、南アフリカSARS-CoV-2感染後の抗体中和やSARS-CoV-2に対するワクチン接種にこの変異が与える影響を評価している」と、オンラインで公開されているプレプリントに書かれている。

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そのプレプリントの内容については後述するが、C.1.2について急に報道が多くなった感が否めない。エルサレムポストでは9/1に変異株C.1.2について『オリジナルのウイルスと比較してより多くの変異が見られる』と報道した。

www.jpost.com

研究者らは、C.1.2の利用可能な配列の数は、南アフリカや世界中でのこの変異体の広がりや頻度を過小評価している可能性があると考えています。南アフリカでは、C.1.2のゲノム数が月単位で一貫して増加しており、5月には0.2%、6月には1.6%、7月には2%と、BetaおよびDeltaバリアントと同様に増加していることがわかりました。

また、C.1.2系統の変異率は年間約41.8回で、現在の世界の他のバリアントの変異率の約2倍の速さであることも分かりました。科学者たちは、このような短期間での進化の増加は、Alpha、Beta、Gammaの各変種にも見られたと述べており、単一のイベントが発生し、その後、事例が急増したことが、より速い突然変異率をもたらしたことを示唆しています。C.1.2の配列の半分以上には14の変異があるが、一部の配列では追加の変異が注目されており、系統内の進化が進行していることが示唆されているという。

C.1.2配列のスパイク領域にある変異の半分以上(約52%)は、これまでに他のVOCやVOIでも確認されている。また、特定の抗体からの逃避に関連する変異N440KとY449Hも、C.1.2の配列で注目されています。研究者らは、これらの変異とウイルスの他の部分での変化が組み合わさって、ウイルスが抗体や免疫反応を回避するのに役立っている可能性が高いことを強調していますが、これには、すでにアルファやベータの変異体に感染した患者も含まれます。

なお、これらの変異の影響を正確に把握し、この変異がDelta型に対する優位性をもたらしているかどうかを確認するためには、さらなる研究が必要であるとしています。

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また、9/1に報道されたThe conversationでは、『ウイルス学者によれば、南アフリカで発見された新しいC.1.2亜種についてはパニックになる必要はないとのこと』と言っているそうだ。

theconversation.com

南アフリカの科学者が、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の新しいウイルス亜種を発見しました。

これは単一のウイルスではなく、遺伝的に類似したウイルスのクラスターで、C.1.2と呼ばれている。

研究者たちは、先週発表したプレプリント研究で、まだ査読されていないが、このクラスターが短期間に多くの変異を拾っていることを発見した。

確かに、これはウイルスの常套手段です。ウイルスは、選択的圧力だけでなく、機会、運、偶然によっても、絶えず進化し、変異していくのです。

C.1.2には、個々の突然変異に関するものがあります。しかし、それらがパッケージとしてどのように機能するかは、実際にはわかりません。また、これらの変異が他の変異と比較してヒトにどのような影響を与えるかを判断するのは時期尚早です。

慌てる必要はありません。広く普及しているわけではありませんし、オーストラリアの玄関口でもありません。SARS-CoV-2に対しては、どのような亜種であっても、私たちが導入している手段が有効です。

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C.1.2についてはまだよくわかっていないことが多く、そんなに情報がまだ多くないようだ。しかし、ラムダ株についてもそうであったが時間と共にその情報は今後多くなってくるのでまずは様子を見てみた方がよいであろう。今はまだデルタ株の蔓延から脱却する時期なのだから。なお、C.1.2についてオンラインで公開されているプレプリントは以下のもので、概要を翻訳したものを以下に記した。

www.medrxiv.org

SARS-CoV-2の変異体は,伝播性,中和抵抗性,および重症度の増加と関連している.SARS-CoV-2のゲノムサーベイランスが世界中で行われるようになったことで,このような変異体を迅速に同定する能力が向上した.今回、PANGO系統C.1.2に属する潜在的な変異体が同定されたので報告する。この系統は、南アフリカで発生したSARS-CoV-2感染の第一波を支配した系統の1つであるC.1から進化したもので、2021年5月に初めて確認され、2021年1月に最後に検出されました。その後、C.1.2は、南アフリカの大部分の州と、アフリカ、ヨーロッパ、アジア、オセアニアにまたがる7つの国で検出されています。C.1.2の出現は、これまでに懸念されていたAlpha、Beta、Gammaの各変種(VOC)の出現時に観察されたように、置換率の上昇と関連していました。C.1.2には、スパイクタンパク内に複数の置換(R190S、D215G、N484K、N501Y、H655Y、T859N)と欠失(Y144del、L242-A243del)があり、これらは他のVOCでも観察されており、伝達性の増加や中和感受性の低下と関連しています。さらに懸念されるのは、追加の変異(C136F、Y449H、N679K)が蓄積されていることである。これらの変異もまた、中和感受性やfurinの切断、ひいては複製適性に影響を与えると考えられる。C.1.2の表現型の特徴と疫学についてはまだ解明されていませんが、以下のような気になる変異があることから、この系統に注目することが重要です。

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出典:The continuous evolution of SARS-CoV-2 in South Africa: a new lineage with rapid accumulation of mutations of concern and global detection Figure.3 C

SARS-CoV-2スパイクのRBDダウンコンフォメーションにおけるC.1.2変異を示す模式図。1つのプロトマーのドメインカートゥーン表示し、シアン(N末端ドメイン、NTD)、赤(C末端ドメイン/受容体結合ドメインCTD/RBD)、グレー(サブドメイン1および2、SD1およびSD2)、緑(S2)で色分けしている。隣接するプロトマーは半透明の表面表示で、グレーの濃淡で示されている。系統を決定する変異(配列の50%以上に見られる)は濃い紫で、追加の変異(配列の50%未満に見られる)は薄い紫で表示されている。中和感受性(C136F、P25L、Y144del、L242del/A243del、E484K)やフリン切断(H655Y、N679K)に影響を与えることが知られている/予測されている主要な変異を示している。画像は分子グラフィックスプログラムPyMOLで作成した。

RBD(受容体結合ドメイン)にはアルファ株と同じN501Y(感染しやすい(ヒトの受容体ACE2に結合しやすい))、ベータ株と同じE484K(免疫を回避する傾向がある)が存在する。P681Hはデルタ株ではP681Rアミノ酸の変化がR(アルギニン)の代わりにH(ヒスチジン)となっている。681番目はスパイクたんぱく質のS1ドメインとS2ドメインの切断される位置に該当し、切断を促進して感染しやすくなると思われる。

なお、感染のメカニズムを詳細に説明しているサイトがabcam社にあった。SARS-CoV-2細胞侵入の構造的および機能的メカニズムというコンテンツに、S1ドメインとかS2ドメインとか、どのように感染するのかが説明されていた。

www.abcam.co.jp

こうした変異は2週間に1か所程度の速度で行われているといわれていたが、C.1.2については1年間に約42回の変異とのことで9日に1回の割合で変異するとのこと。これは厄介である。

より感染しやすくなる傾向があるようで、アルファ株による第4波、デルタ株による第5波がそれを如実に物語っている。仮にこの変異株がより感染力があるのであれば、日本国内では今後ピークアウトして新規感染者数が減って底が見えたらこの変異株が流行することが想定される。新規感染者数が2か月半程度でピークアウトした軌跡から2か月程度要して減少していくのかなと思っている。ただ2か月後はびょっとしたらワクチン接種を早く受けた65歳以上の方の抗体量の減少で、ブレークスルー感染(そう言っていいのかどうかわからないけれど)が頻発してなかなか新規感染者数が減らない状況になるのかもしれない。

なかなか減らないというのはイギリスの例をいつも引用しているが、4つのグラフのうち左下の新規感染者数は7月中旬でピークアウトした。それが一時期は減少傾向であったが、再び増加傾向に転じた。日本国内も、こうした事例を参考にしながら、慌てず焦らずこれから起こることに備えていきたいと思う。

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出典:UK summary  ブラウザの翻訳機能で日本語表示している

The official UK government website for data and insights on coronavirus (COVID-19).

https://coronavirus.data.gov.uk/