kennyheadway's thinking

こちらは日々思うこと、COVID-19について思うこと述べていくことになりそうかな。

mRNAワクチン2種類の比較の論文から分かること。

mRNAワクチンを比較した論文の存在を以下のYouTubeから知った。

ENewsTrendsというチャンネルであるが、比較的短いクリップで情報を端的に提供しているため、時折視聴する。翻訳設定して再生速度をやや高めてさらっと見ることが多い。

www.youtube.com

ファイザーよりもモデルナの方が効くということである。この内容は副反応はファイザーよりもモデルナの方が多いという報道からもある意味私は納得した。

ファイザー社のワクチンBNT162b2とモデルナ社のワクチンmRNA-1273の比較である。

jamanetwork.com

この論文の主要な個所を私の独断で要約すると以下の内容になる。

  • SARS-CoV-2のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンである「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech社)と「mRNA-1273」(Moderna社)は、それぞれCOVID-19感染症の予防に90%以上の有効性を示しているが、体液性免疫反応を直接比較したことはない。
  • mRNA-1273またはBNT162b2のいずれかを2回接種することが予定されている三次医療センター(ベルギー、Ziekenhuis Oost-Limburg)の医療従事者を、この前向きコホートに参加させた。
  • 血清学的検査は、ワクチン接種前と、2回目の投与から6~10週間後(2021年4月27日から5月20日の間)に実施した。SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインに対する総免疫グロブリン量は、抗SARS-CoV-2 S酵素免疫測定法(Elecsys, Roche Diagnostics International Ltd)を用いて測定した。
  • SARS-CoV-2 mRNAワクチンを2回接種した医療従事者2499人のうち,1647人がこの研究に参加した.mRNA-1273を接種したのは688人(平均年齢43.2歳、女性76.7%、SARS-CoV-2既往感染者21.8%)、BNT162b2を接種したのは959人(平均年齢44.7歳、女性84.9%、既往感染者13.2%)であった。
  • mRNA-1273 を 2 回接種した被験者では,BNT162b2 を接種した被験者に比べて高い抗体価が認められた(具体的な数値は割愛する)。
  • 本研究では,SARS-CoV-2 mRNA-1273 ワクチン(Moderna)が,BNT162b2 ワクチン(Pfizer-BioNTech)と比較して,感染者および非感染者において,また年齢カテゴリーを問わず,有意に高い体液性免疫原性を示した.
  • BNT162b2と比較してmRNA-1273のmRNA含量が高いこと、mRNA-12733のプライミングとブースティングの間隔が長いこと(BNT162b2の3週間に対して4週間)が、この違いを説明していると考えられる。

この論文に掲載されていたグラフは以下のとおり。バイオリンプロットというグラフの書き方で、どのような分布なのかが示されている。この結果から、

  • どの例でも抗体価は、モデルナ > ファイザー
  • 抗体値は、感染した群 > 感染していない群
  • 抗体値は、加齢とともに低めな傾向がある

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出典:Comparison of SARS-CoV-2 AntibodyResponse FollowingVaccinationWith BNT162b2 andmRNA-1273 (JAMA, published online August 30, 2021)の図。翻訳追記あり

ファイザー社とモデルナ社のSARS-CoV-2 mRNAワクチンは接種間隔とmRNAの量が異なる。

以上、ファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンの比較の内容を述べた。

私はmRNAの量に着目してしまった。3倍も違うのだから。量ついて少し調べると以下のことが分かった。2020年5月にロイターで報道された記事が説明してくれている。25 マイクログラムよりも100マイクログラムの方が多く抗体が作られると。

jp.reuters.com

このような記事もある。子供用の接種に、ファイザー社は30マイクログラムから10マイクログラムのものを。モデルナ社は100マイクログラムから50マイクログラムと量を少なくしているようだ。

www.businessinsider.jp

体重に依存して量を変えることは投薬でもそうだけどそうした概念が普通に思われる。またワクチンの副反応が日本人は欧米よりも多いというのは平均体重の前提が違うことかもしれない。例としてアメリカは平均体重が80㎏、日本は平均体重が60㎏。これはたとえなので、実際と異なるかもしれないが、アメリカに滞在したときのことを思い出すとそう言えるのもうなずける。

今回私はファイザー社のワクチンを接種しているが、日本の事例でもモデルナ社との比較対象は、比較的良い研究対象になるのではないかと思う。だれかきっとやっていると思うが、今後の報道に期待しよう。