kennyheadway's thinking

こちらは日々思うこと、COVID-19について思うこと述べていくことになりそうかな。

喫煙者は新型コロナウイルス感染症に罹患しやすい

9月からTwitterのアカウントを取得し、情報を入手しようと数人フォローしている。まだ片手程度のフォローだけれど、情報がすぐに発信されていくのには驚くばかりだ。その中で、気になった話題として、喫煙者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患しやすい傾向があるといわれているのはどうしてだろうというはてながあたまに渦巻いていた。

ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)の発現量や、新型コロナウイルスSARS-CoV-2)がACE2に結合する確率によって感染するしないが関連するであろうという認識から、Cell Reports Medicineに9月27日に公開された内容を紹介したいと思う。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

 

Cell Reports Medicine

Determinants of SARS-CoV-2 entry and replication in airway mucosal tissue and susceptibility in smokers (気道粘膜組織へのSARS-CoV-2の侵入と複製、および喫煙者の感受性を決定する因子)

 

ハイライト

  • ACE2とTMPRSS2(II型膜貫通型セリンプロテアーゼ)は頭頸部の粘膜表面で多様に発現している
  • TMPRSS2の豊富な発現は、SARS-CoV-2の鼻腔・気管への感染を促進する可能性がある。
  • COVID-19患者の鼻腔および気管では、SARS-CoV-2が優先的に複製される。
  • 喫煙は、IFN-β1の影響もあり、近位気道のSARS-CoV-2の増加と関連している。

ここで、ACE2とTMPRSS2については、東京大学医科学研究所が2020年3月18日に以下をプレスリリースし、SARS-CoV-2がどのようにACE2に結合し、たんぱく質分解酵素TMPRSS2でスパイクたんぱく質を活性化させることを説明している。なお、このプレスリリースのメインの内容は、急性膵炎などの治療薬剤であるナファモスタットが感染防止に効果があることを突き止めたという内容である。

www.ims.u-tokyo.ac.jp

余談が過ぎたが、感染が成立する図を掲載しているこのコンテンツは有用だと思うが、本題に戻ろう。要約と図のアブストラクトを以下に掲載する。

その前に、インターフェロンの説明。Wikipediaより。

インターフェロン(英: Interferon、略号:IFN)とは動物体内で病原体(特にウイルス)や腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して細胞が分泌する蛋白質のこと。ウイルス増殖の阻止や細胞増殖の抑制、免疫系および炎症の調節などの働きをするサイトカインの一種である

 

要約

ウイルスのトロピズムを理解することは、SARS-CoV-2の感染を減らし、COVID-19による死亡率を低下させ、変異株が発生する機会を制限するために不可欠なステップである。現在のところ、ヒトの頭頸部および近位呼吸器における組織部位が、SARS-CoV-2の感染と複製をどの程度選択的に行うかについては、ほとんど分かっていない。本研究では、ヒト近位気道の粘膜組織において、SARS-CoV-2の侵入因子であるACE2とTMPRSS2の発現に重要な差異があることを発見した。また、SARS-CoV-2の感染は、頭頸部のすべての組織で見られ、特に鼻腔と気管の粘膜で顕著なトロピズムを示すことがわかった。最後に、喫煙とヒト近位気道におけるSARS-CoV-2ウイルス感染の高さとの間に関連性があることを明らかにし、喫煙者が重篤なCOVID-19を発症しやすいことを説明できるかもしれない。これは、喫煙者と非喫煙者のIFN-β1(I型インターフェロン)レベルの違いによって、少なくとも部分的には説明できる。

 

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出典:Determinants of SARS-CoV-2 entry and replication in airway mucosal tissue and susceptibility in smokers Cell Reports Medicine  ACE2とTMPRSS2の発現量とウイルスの複製量を示している。上から、Nasal(鼻)、Nasopharynx(上咽頭)、Tongue(舌)、Oro/Hypo-pharynx(口腔/下咽頭)、Larynx(喉頭)、Esophagus(食道)、Trachea/Bronchus(気管/肺胞)、Conjunctiva(結膜)

上図の呼吸器でウイルスの複製が多くなるとされる個所が赤くなっているという風に理解できるが、ACE2とTMPRSS2が多い鼻、上咽頭、気管/肺胞がより多く感染しやすい場所であることがわかる。本篇には、たばこの煙を吸うと、IFN-β1の発現が低下し、気道上皮におけるSARSCoV-2の感染力が増加することが述べられていた。

筆者は10年以上前は喫煙者だったので、今は10年以上タバコを止めて肺は少しは綺麗になったことを臨んでいる。タバコを吸わないに越したことは無いが、喫煙者の立場で申し上げるのであれば、感染リスクが高い場所で喫煙をしないようにきをつけるということである。人が複数集まって雑談しながら喫煙する状況は飛沫も飛ぶであろうし、喫煙するにしてもリスクを回避して喫煙することが臨まれる。