kennyheadway's thinking

こちらは日々思うこと、COVID-19について思うこと述べていくことになりそうかな。

ワクチン接種と新規感染者数の関係

10/7のTBS NEWSで、ワクチン接種率が鈍ってくると新規感染者数が増加するような話があった。

news.tbs.co.jp

 

ワクチンは、感染は防げない。だけど重症化を防ぐということで、そのワクチン2回接種について世界(主要国)の状況です。
日本は2回接種完了者61%まで来ました。相当なスピードアップ。諸外国はこのあたりで頭打ちになりがちなところ、スピードはあまり落ちていません。
(ドイツ64.15%、イギリス64.01%、フランス66.20%、イタリア68.39%、アメリカ55.24%、韓国53.07%)

一方、カナダはワクチン接種義務化などを推進しまして、71%を超えている。
そのカナダの状況です。ワクチンを打っても感染はしますので、検査陽性者が増えるというのはある意味自然なこととも言えます。

 

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出典:Nスタ コロナ感染者数減少も「弱毒化」確認できず油断は禁物

ワクチン接種率が伸びているカナダ。ワクチン接種率が増えれば日本と同じように陽性者数は減っている状況です。
一旦は検査陽性者がぐっと減る。しかしその後、やはり感染はしますので、感染は防げませんので、検査陽性者はある程度増えていくということになります。
陽性者の人数は1週間平均のものを出しています。
週合計の目安をご覧いただければと思いますが、カナダは人口だいたい日本の3分の1です。あとマスク着用率なども全く違いますので一概には言えないんですが、やはり日本も検査陽性者の次の波は来ると考えるのが自然であろうと。その中で重症化をどう防いでいくのか。

カナダの例をみるとワクチン接種率が60%を超えると接種率の増加が緩やかになり、新規感染者数が増えていくということである。他国の例を見てみよう。ここではOur World in Dataのデータを使用して、新規感染者数(人口100万人あたりに換算した値)、ワクチン接種率(2回接種済の値)、さらには厳格度指数を加えながら、こうした関係を見てみようと思う。ワクチン接種が当初は進んでいたとされるイスラエル

イスラエルの例

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データ出典:Our World in Data COVID-19

イスラエルは、55%程度で頭打ちで増加が鈍ってきているが、新規感染者数がほとんどいない期間が続いていて、ニュースの例とは異なる感じがする。カナダは新規感染者数が7月に底であるが、イスラエルのように底の期間が長くはない。

他の要因があるのではないかと思い、ロックダウンなど行動を制限する程度を示す厳格度指数(stringency index)を上のグラフに追加すると、以下のようになる。

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データ出典:Our World in Data COVID-19

ワクチン接種率が55%程度のときは厳格度指数が60%であったが、その後段階的に53%、30%と下げていったのがわかる。厳格度指数が低く、ワクチン接種率がそれほど伸びなくなっているときに、増加していくという傾向がみられるように筆者は思う。

 

カナダの例

カナダは、イスラエル程ワクチン接種率が伸びなくなった程度は少なくはない。しかし接種率増加が鈍ってくると新規感染者数は増加している。厳格度指数が70%から60%に下がったときから新規感染者数が増加しているように見える。

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データ出典:Our World in Data COVID-19

アメリカの例

アメリカでは、ワクチン接種率が40%以上になると上昇が緩やかになり、厳格度指数が48程度からその後60程度に上昇する。この時点では新規感染者数は下げ止まっているが、厳格度指数が60から50に下がったときに新規感染者数が増加している傾向がみられる。

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データ出典:Our World in Data COVID-19

イギリスの例

イギリスでは、ワクチン接種率が40%をこえたときに厳格度志う数が62程度から51程度に下がっている。このタイミングで新規感染者数が増加し始めている。ワクチン接種率はイスラエル程頭打ちになっておらず徐々に増え続けているが、新規感染者数が増えても厳格度指数を引き上げていない。51から43へさげ、さらには40程度まで段階的に下げている。

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データの出典:Our World in Data COVID-19

日本の例

同じく、自国でも同じようなグラフを描いていると、ワクチン接種率は定規で線を描いたように上昇している。新規感染者数は減少傾向が続いており下げ止まり感があるが上昇に転じている気配は見られない。厳格度指数は、ロックダウンはしていなく、せいぜい緊急事態宣言とのことで50程度である。10月に全国緊急事態宣言解除としても⑤ポイント程度の低下がみられる。

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データの出典:Our World in Data COVID-19

 

必ずしも、厳格度指数の動的変化が新規感染者数の増加傾向を決めるわけではないが、報道であった内容にほかの情報を加えて統合的に状況を考えていくことが必要だと思われる。