換気について久々に述べてみよう(二酸化炭素濃度について)
第5波が終息しつつあるような状況で、規制が緩和する方向に動いていることはある意味歓迎すべきことと思っている。経済活動が停滞しており、職場でも売り上げが例年の2/3とかになっていると、生活に関わってくることである。これについては日々模索しているが、今回は換気について久々に述べてみる。
投稿の初めに、いろいろと基準をしらべてコンセンサスが得られているのが、一人あたり1時間に30立方メートルの換気量が求められることを書いてみた。
仕事柄愛知県のある課のメーリングリストに登録して、行政の情報を得ているが、愛知県の新型コロナウイルス感染対策関係の情報も流れてくる。その中で、「警戒領域」での感染防止対策(見え消し版) というのがあり、どうせいつものようなありふれたことが書いてあるだろうと思って、PDFをのぞいてみた。見え消し版は、どこがどうなったかが一目瞭然である。6ページに以下の記載があり、気になったのでそれについて述べてみよう。
CO2センサーでの換気モニタリング
- 飲食店等の感染防止対策の向上を図るため、あいスタ認証制度の普及に取り組みます。また、「あいスタ認証店」には、CO2モニター等の感染防止対策に必要な資機材を配付します。
二酸化炭素の濃度をモニタリングすることで、換気の良し悪しを測定する取り組みを推奨しているわけであるが、実際にどのように使用されているかどうかがきになった。
サイトで調べたところ、実際の使用例ではないが、あるサイトが気になった。
国の機関である労働安全衛生総合研究所で、部屋の容積寸法などを入力すると、二酸化炭素を推定してくれる換気シミュレータがあることが分かった。
入力項目は以下の通りである。
- 床の縦の長さ
- 床の横の長さ
- 天井の高さ
- 部屋にいる人の数
- 人の活動状態(標準時、ごく軽度の動き、軽度の動き、運動)
- 換気装置の有無
- 建物のタイプ(コンクリート建築、一般木造建築(和室 or 洋室)、古い木造建築、窓やドアが常に動いている建物)
例えば、筆者の職場の容積寸法を入力してみる。この寸法はおおよそ90平方メートルのフロアに机や棚などがある状態である。そうすると二酸化炭素濃度は780ppmと算出される。ただ建物のタイプが、軽量鉄骨なので適切なものはなく、とりあえず一般木造建築(洋室)としてみた。
建物の種類をコンクリート建築にすると、二酸化炭素の濃度は1,160ppmとなり濃度が上昇する。
次に、応接に使用している部屋でシミュレーションしてみよう。おおよそ10平方メートル程度のスペースであるが、来客が2人でトータル3人での状況をシミュレーションしてみる。二酸化炭素濃度は2,190ppmとなり、換気状態は悪いと判定される。
同じスペースで、来客2人、こちらも2人で、トータル4人になると、二酸化炭素濃度は2,790ppmとなり、非常に悪くなる。
仮にその空間がコンクリート建物であれば、二酸化炭素濃度は5,180ppmとなり極めて悪いことになる。
複数のパラメータの組み合わせで、予想される二酸化炭素の濃度は入力したとおりに算出されて、ある程度の参考になると思う。こうしたシミュレーションをいろいろやってみて、部屋の環境を評価してみることはお勧めしたい。特に、夏の季節もそうであるが、冬も窓を閉め切ることが多く、換気が制約されるため、感染リスクの低減に気を遣うことは重要であると思う。
余談であるが、ステップ2の換気装置の有無で、「はい(あります)」を選択すると、見積結果は空欄になる。