オミクロン株 南アフリカ共和国からわかること
オミクロン株について情報がそれほど多くない。何はともあれ一番最初に見つかった南アフリカ共和国の状況を知ることにより、何かがわかるのではないかと思い、いくつか調べてみた。
ニュースソースから以下の内容が気になった。
乳幼児のコロナ入院が目立つこと、再感染リスクが高いこと、この2つが気になった。
南アフリカ共和国の状況をデータで見てみる。まずはOur World in Dataから。
あえて日本との比較はしなかったが、気になったのが直近12月付近の新規感染者数の増え方である。この傾きは以前の山よりも急な感じがする。今年6月から始まった以前の波は昨年11月から始まった波と新規感染者数と死亡者数は大雑把に言えば同等のような感じである。細かく言えば波の幅が今年6月から始まった方が広い感じがする。新規感染者数と死亡者数の増え方を見るとワクチン接種率がそんなに高くないのかもしれない。つづいてワクチン接種率を見てみよう。
世界平均では4割を超えた程度であるが、南アフリカ共和国は25%程度4人に1人という状況である。本年6月の波がその前の波と新規感染者数と死亡者数の増え方が同期していることはワクチン接種率がまだ一桁パーセントのことからもそうなんだとうなづける。
変異株については、レポートを毎週発行している。
直近の12月1日の内容のハイライトは以下の通りであった。
- 新しいB.1.1.529(21K)系統がバリアント・オブ・コンサーション・オミクロンに指定された
- 南アフリカで最も早く検出されたのは:11月8日、Gauteng州
- 11月のシーケンシングデータでは、オミクロンが74%(n=183/249)を占めています。他の州でのオミクロンの流行状況を調べるためにシーケンスが進行中です。
- オミクロンは現在、世界19カ国で検出されています。
- 詳細は https://www.nicd.ac.za/frequently-asked-questionsfor-the-b-1-1-529-mutated-sars-cov-2-lineage-in-south-africa/ をご覧ください。
- 10月末まですべての州でデルタ型が優勢
- Deltaサブ系統は州によって異なる
- C.1.2系統は南アフリカのすべての州で検出され、1ヶ月あたりのゲノム数の4%未満の有病率を示した
上図のグラフは毎週ごとの変異株の種類と寄与率/数を示したものである。グラフの上では、赤色のオミクロン株 (21K)が急激に増えているが、グラフの下の数ではそれほど大きな数ではないことがわかる。ただ、これは遺伝子解析した数のようなので、実際の感染者数と関連があるかどうかは判断が難しい。先週末のニュースでは急に増え始めている感があったが、1週間すると数が減少していることから、これまた様子を見ていった方がよいようである。