オミクロン株の亜種BA.2について
Twitterで、東京大学医科学研究所システムウイルス学分野の佐藤佳先生がオミクロン株の亜種BA.2について感染力の他に病原性も高い可能性があることを医学系の査読前の論文誌に発表された。
#拡散希望 🔔速報🔔 新型コロナ研究コンソーシアムG2P-Japan🇯🇵のプレプリント第7弾を、bioRxiv @biorxivpreprint に発表しました。#ステルスオミクロン とも呼ばれる「BA.2系統」は、従来の #オミクロン株 (BA.1系統)よりも、伝播力も病原性も高い可能性があります。1/6https://t.co/Qi1UwKXRCG
— The Sato Lab (Kei Sato) (@SystemsVirology) 2022年2月16日
以下はTwitterでの投稿された要旨であるがこれを読んでいると日本で市中感染し始めたら第6波とオーバーラップして第7波が来る可能性だって否めないと思ってしまった。
以下、本研究の概要です。
— The Sato Lab (Kei Sato) (@SystemsVirology) 2022年2月16日
1⃣ ウイルス配列の数理統計解析によって、BA.2(ステルスオミクロン)の #伝播力 は、BA.1(従来のオミクロン)よりも約1.4倍高いことを明らかにしました。実際、デンマークやインド、フィリピンなどの国では、すでにBA.2への置き換わりが進んでいます。2/6 pic.twitter.com/qt2OfaHLBW
2⃣ ワクチン接種者の血清を使った中和試験の結果、BA.2(ステルスオミクロン)は、BA.1(従来のオミクロン)と同様、ワクチンによって誘導される中和抗体にきわめて抵抗性であることを明らかにしました。3/6 pic.twitter.com/Y7ZYvzf3yl
— The Sato Lab (Kei Sato) (@SystemsVirology) 2022年2月16日
3⃣ BA.1に感染して回復したハムスター、あるいは、BA.1のスパイクタンパク質で免疫したマウスの血清を使った中和試験の結果、BA.1で獲得した免疫は、BA.2に対して効きづらいことを明らかにしました(実験動物の血清を使ったのは、ワクチン未接種のBA.1感染回復者の血清の収集が不充分なため)。4/6 pic.twitter.com/UzbRpFzREk
— The Sato Lab (Kei Sato) (@SystemsVirology) 2022年2月16日
4⃣ BA.2の臨床分離株がまだ未取得であったため、BA.2のスパイクタンパク質を持った新型コロナウイルス "BA.2 S" を人工合成し、ハムスターを用いた感染実験を実施しました。その結果、"BA.2 S" の病原性は、BA.1よりも高く、従来株(図中「B.1.1」)と同等であることを明らかにしました。5/6 pic.twitter.com/cUuLDqRKWX
— The Sato Lab (Kei Sato) (@SystemsVirology) 2022年2月16日
まとめ▶️ BA.2(ステルスオミクロン)は、伝播力、病原性、免疫抵抗性のいずれにおいても、BA.1(従来のオミクロン)よりもリスクが高い可能性があります。BA.2はすでに日本に流入しています。流行の動向は今後の対策次第ですが、リスクの高い変異株が出現していることに警戒すべきと考えます。6/6
— The Sato Lab (Kei Sato) (@SystemsVirology) 2022年2月16日
ここで言っているB.1.1は、B.1.1.7のアルファ株やB.1.617.2のデルタ株のようにVOC (Variant of Concern)懸念される変異株と推察する。
このプレプリントのPDFの最後の方にいろいろと図が示されている。まとめの前の4番と番号が振られているコンテンツでは、BA.2のスパイクたんぱく質を持ったSARS-CoV-2ウイルスを人工合成してハムスターに感染させたら体重、気道収縮指標(Penh)、最大呼気流量(Rpef)、および 皮下酸素飽和度(SpO2) などとBA.2の傾向がほぼ一致していることがわる。SpO2はパルスオキシメータが認知されたことで酸素飽和度と理解できるが、そのほかのパラメトリックな内容は分からないので検索で適切と思われる言葉を振った。
検索したらこの内容とは別のコンテンツがみつかり、これも東京大学の医学研究所で佐藤先生とは別の先生が発表された内容のプレスリリースでこちらにはオリジナルのオミクロン株はデルタ株のようなVOCと比べると病原性は低いという内容であった。
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/content/000005698.pdf
一般論では感染性が高まって弱毒化するとは言っているけれども、新型コロナウイルスはそう当てはまるのか当てはまらないのかはまだ断定ができないと思う。このプレプリントについてはもう一つのブログに掻い摘んでアップしようかなと思っているが、図を見ているとなんだかこれはやばそうな感じがしてしまった。国によってBA.2の感染拡大度合いは異なるが、今まで効果があるとされている抗体カクテル療法もBA.2は適用できないものだってあるという内容なので、ビビりながらもBA.2というのはどういうものなのかプロファイルして備えていきたいと思う。