kennyheadway's thinking

こちらは日々思うこと、COVID-19について思うこと述べていくことになりそうかな。

ブースターショットは必要だとモデルナ社が言っている

今週はブースターショットについて言及することが多いが、もう一つ、9/16のBloombergのニュースから

www.bloomberg.co.jp

米モデルナの新型コロナウイルスワクチン第3相試験に関する新たな解析で、同試験の早い時期に接種を受けた人の方がブレークスルー感染(ワクチン接種後の感染)の割合が高いことが分かった。

  • 治験の早い段階に接種受けた人の方がブレークスルー感染の割合高い
  • 治験で接種受けたが、デルタ株拡散した今夏に感染したケースを検証

 

実際に、モデルナ社はFDAにブースターショットの申請をしている。

これも9/2のBloombergから。

www.bloomberg.co.jp

米モデルナは1日、新型コロナウイルスワクチンのブースター(追加免疫)接種で米食品医薬品局(FDA)の正式承認を目指し、初期データを提出したことを明らかにした。

発表資料によれば、臨床試験で用量を現行ワクチンの半分の50マイクログラムとしたブースター接種により、デルタ変異株に対する抗体レベルは40倍超に増加したという。

最初の記事の内容からは、インフルエンザの予防接種のように、備えるために定期的にワクチン接種が必要だということである。厚生労働省は恐らくブースターショットについて検討していて、状況によってはその話を出してくるだろう。

2番目はワクチンの用量についてであるが、モデルナ社製のワクチンの用量は100マイクログラムである。一方、ファイザーは30マイクログラムである。その差が副反応の出方に影響するかという話もあった。今回、モデルナ社は50マイクログラムの用量でのブースターショットを言及している。少ない用量で意図する抗体レベルが得られるのであればよい話である。

 

ブースターショットを先行している国は、東京新聞の9/15の記事によると、イスラエルが挙げられる。これに続いて、イギリス、アメリカと続くようだ。

www.tokyo-np.co.jp

  • イスラエルでは、7月以降、デルタ株の感染者が急増したため、8/1より3回目の接種に踏み切った。保健省によると、人口930万人のうち250万人が3回目の接種を終えている。
  • 英国のジョンソン首相は14日、コロナ対策の「秋期、冬期計画」を明らかにし、50歳以上のほか、医療・介護従事者や介護施設の入居者も対象に3回目の接種を行うと発表。全2回の接種完了から半年を過ぎた時点で3回目を認める。
  • 米国も今月から追加接種を始める予定。

 

 

ブースターショットは効果があるらしい

New England Journal of Medicineから、9/15にイスラエルでのブースターショットの効果に関する研究成果が発表された。

Protection of BNT162b2 Vaccine Booster against Covid-19 in Israel(イスラエルにおけるCovid-19に対するBNT162b2ワクチン・ブースターの防御効果)

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2114255

 

DeepLで翻訳した概要は以下の通り。

背景
2021年7月30日、イスラエルにおいて、60歳以上で5カ月以上前に2回目のワクチンを接種した人に対して、BNT162b2メッセンジャーRNAワクチン(Pfizer-BioNTech社)の3回目(ブースター)の投与が承認されました。コロナウイルス2019年疾患(Covid-19)の確認率と重症化率に対するブースター投与の効果に関するデータが必要である。

方法
2021年7月30日から8月31日までの期間に、イスラエル保健省のデータベースから、60歳以上で、少なくとも5カ月前に完全なワクチン接種を受けた(すなわち、BNT162b2を2回接種した)1,137,804人に関するデータを抽出した。主要解析では、12日以上前にブースター注射を受けた人(ブースター群)と受けていない人(非ブースター群)の間で、Covid-19が確認された割合と重症化した割合を比較しました。また,副次的な解析として,ブースター注射の4~6日後の感染率を,少なくとも12日後の感染率と比較して評価しました。すべての解析において,考えられる交絡因子を調整した後,ポアソン回帰を用いた.

結果
ブースター投与後12日以上経過した時点で,感染が確認された割合は,非投与群に比べてブースター投与群で11.3倍(95%信頼区間[CI],10.4~12.3)と低く,重症化した割合は19.5倍(95%CI,12.9~29.5)と低かった.二次解析では,ワクチン接種後12日以上経過してから感染が確認された割合は,4~6日経過してからの割合よりも5.4倍(95%信頼区間,4.8~6.1)低かった.

結論
60歳以上で、5ヵ月以上前にBNT162b2ワクチンを2回接種した参加者を対象とした本研究では、BNT162b2ワクチンのブースター(3回目)を接種した参加者では、Covid-19および重症化が確認される割合が大幅に低いことがわかった。

 

この論文から分かったことから日本の事例を当てはめてみよう。

5か月以上前ということであれば、65歳以上の接種が始まったのが、5月の連休明けかな?政府のCIOポータルのデータから2回目接種完了が6月初旬から増え始めていることから11月になったら5か月以上の経過に該当することになる。

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出典:政府CIOポータル 新型コロナワクチンの接種状況(65歳以上)

一方、全体的には、2回接種完了が大体半数である。

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出典:政府CIOポータル 新型コロナワクチンの接種状況(対象者すべて)

ただ、データをまとめているところで、若干異なることがある。傾向として異なることはないとは思うが、情報は複数見て最大公約数的な解を見つけた方がいいと思う。

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出典:Yahoo!ニュース 新型コロナワクチン情報まとめ

個人差もあるので、65歳以上の新規感染者数および重症者数の動向をみて、ブースターで対応できるのであれば、対応していくというのが一つの手段になるとは思う。ただ、このワクチン接種自体が新しいことだらけでまだわからないこともあるから、情報を収集しながら様子を見ていく必要があると思われる。ブースターよりもまずは接種希望者に接種してあげる方が優先事項としては高いと思うが、冬に備えて急ぐ必要がある。

 

次に備えるには。2021年9月時点での考察

新型コロナウイルスSARS-CoV-2による感染症COVID-19のデルタ変異株で蔓延した第5波はピークアウトしたが重症者数の減少はこれから時間を要するだろう。9/13に掲載したグラフにちょっと手を加えて傾向を見てみよう。

新規感染者数と死亡者数の関係である。毎日の報告でギザギザしているため、7日間の移動平均(過去3日、現在、未来3日)としている。見るからに直近の第5波の新規感染者数が非常に多い。

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重症者数と死者数の関係をみても、第5波は重症者数が多い。第3波、第4波と比べると重傷者が多い割には死亡者数が現時点では多くはない傾向がみられる。ただ、重症者数が下降している割には死亡者数は下降傾向にまだ転じているとは判断できないので、しばらく動向を注視していく状況が続きそうだ。

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なお、死亡者数が唐突に多い日が2日あるが、NHKの特設サイト新型コロナウイルスでは以下のような説明があった。

  • 埼玉県は2020年6月19日、「死亡した人の計上方法を、国の示した基準をもとに見直した結果、死亡した感染者が13人増えた」と発表しました。それぞれの死亡日が明らかになっていないため、上記のグラフでは2020年6月19日に表示しています。

  • 兵庫県は2021年5月18日、「129人の死亡が確認された」と発表しました。このうち121人は、神戸市がこれまで計上していなかった人をまとめて発表したものです。121人が亡くなったのは、2021年3月26日から5月17日までの1か月半余りの期間だとしています。

なお、このグラフでは波の最大値の値だけに注目しているが、本来であれば波の部分を期間で区切って積分した値に注目した方がより適切にかすを評価できると思うが、こうした場合、波がくっついていることもありどこで分けるかはむずかしい。

もう一つ、この3つの指標(新規感染者数、死者数、重症者数)の最大値を1にして正規か下グラフを書いてみると以下のようになる。こうしてみると、第5波は新規感染者数が多い割に死亡者数が少ないこと、第4波では相対的に新規感染者数よりも死亡者数、重症者数が多いが第5波では重症者数を比較的少ないことが判る。

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ワクチン接種による予防効果、重症化防止効果が関係していると思うが、この冬に向けては、より治療の選択肢が多くなることを望みたい。抗体カクテル療法といっても、点滴するわけだし、これを自宅療養というのはなかなか難しいところがある。早く抗ウイルス薬が承認されることを期待している。

今日は3つ思うことを述べてみたいと思う。

新たな変異株は出てくるか?

恐らく出てくるだろうと予想している。ただそれが主流になるかどうかは諸説いろいろある。ワクチン耐性変異株が今後出てくるかもしれないといわれているが、現在のデルタ株が一部耐性を持っているのではないかとさえ思ったりする。

下図は、9/13に投稿されたプレプリントの図で、メジャーな10系統をラベリングしてある。例えば、右上の大きな赤い円のB.1.617.2はデルタ株、その左下の二回り小さな丸のP.1はガンマ株、その左の一回り大きなB.1.1.7はアルファ株といった風にである。このプレプリントでは200万本以上のSARS-CoV-2のゲノム解析で、どの変異が伝染性を促進するかを明らかにした。さらに多項混合モデルを用いて、異なるSARS-CoV-2系統の相対的な伝染性の原因となる変異を推測した。

本来であればこの図はプレプリント本文にもあるように、どのスパイク蛋白質が変異して、それがどの程度感染力が高いかを考察しながら見ていくと思うのだけれど、ここでは時期的にどの程度伝染性が高い変異株が出現したかを見ていこうと思う。結構この図を見ると北半球で冬から春の時期が大きな丸だという印象がある。

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出典:Analysis of 2.1 million SARS-CoV-2 genomes identifies mutations
associated with transmissibility, medRxiv preprint September 13, 2021

210万人のSARS-CoV-2のゲノムを解析し、感染性に関わる変異を特定

赤い丸は、懸念される変異株(VOC)であるが、出現時期は日本で言うと冬から春の季節が多いようだ。2020年の6月頃は、B.1.351系統のベータ株が出現しているがそれはさほど大きな円形ではなさそうだ。2020年初頭は、VOCとかVOIというラベルが無かったので、グレーの丸であるが、2020年1月から4月にかけて比較的大きな丸が存在する。こうしたことからも、2021年の秋冬は何か出現することを想定する。少なくとも現時点ではデルタ株が他の株よりも優勢ではびこっている。デルタ株がなくなったらどういう株がはっきりするか、注視する必要があるだろう。

 

インフルエンザはこの冬、流行するか?

2020年初頭、2021年初頭とも、インフルエンザの流行したという状況ではなかった。ウイルス干渉(あるウイルスが流行すると他のウイルスが流行しないによって新型コロナウイルス感染症が流行しているとインフルエンザが流行しないということなのだろうか。

新型コロナウイルス感染症(デルタ変異株)は10月下旬が新規感染者数が底になるのではないかと思っている。その頃には重症者数も減少してようやく医療現場の逼迫程度がだいぶ緩和されるのではないかと思っている(願っている)。10月下旬と言っているのは、そこから大体2か月かけてピークになっているので、底に到達するにもそれだけ時間を要するのではないかという単純な理由だ。それと、第3波、第4波にしても重症者数や死亡者数のピークから1.5~2か月で下げ止まりになる傾向からそう思っている。

新型コロナウイルス感染症がそれほど流行していないときに、どちらが先行するかによると思っている。昨年の10月下旬は底だったような気がするが、それ以前とは異なり、手洗い、マスクなど、非医療的な介入を行っていることも影響しているのかもしれないが、インフルエンザの流行はなかったように思われる。下のグラフは国立感染研究所の資料から引用したものであるが、2020年の水色の山は過去に比べて小さく2021年の赤色の線には山が無い。

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出典:国立感染研究所 インフルエンザ過去10年との比較

南半球の南米やオーストラリアでは、7月、8月は冬の時期なので、事例としては学びやすい。インフルエンザが流行していたかという質問に対してはNoで、COVID-19が蔓延していたという答えが返ってくるだろう。下のグラフはオーストラリアにおける確認されたインフルエンザの届出(2016年1月1日~2021年8月29日、診断の月・週別)であるが、2020年および2021年はほとんど報告がないことがわかる。

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出典:Austrarian Government, Depaartment of Health

Department of Health | Australian Influenza Surveillance Report and Activity Updates – 2021

オーストラリアでは2シーズン、インフルエンザが無かったということから、恐らくではあるが、2021/2022年にはインフルエンザが蔓延する可能性は少ないと思う。

ブースターショットは必要になるか?

イスラエルの事例からすれば、ブレークスルー感染を防ぐためにブースターショットは必要だということは想定できる。一方、WHOは全世界にくまなくワクチンを供給するためには年内はブースターショットは停止するべきだと言っている。

日本ではいつ頃に必要になるかということである。ブースターショットで抗体価が上昇する報告は出始めている。日本国内では3回目が必要かもしれないような報道も出ているが、それをどう判断していいかは今後明らかになっていくであろう。

東京都のモニタリング会議の資料が一つの手がかりになるかもしれない。下図はそのうちの一つ、重症患者数を年代別に示したものである。デルタ変異株の第5波が6月下旬を底として大きくなっている。

  • 7/26以降は、50代の薄紫色の上にある60代以上はさほど重症患者者数が多くなかったのに対して、8/16以降は60代以上の数が比較的多く目立つ印象を受ける。
  • 60代は65歳以上が比較的早期にワクチン接種を受けた年齢層に該当するはずなのに、この時期にきて重症者数がなぜ多いのかが不思議だ。
  • 8/16時点では50代が全年齢層の中で多く占めるがこれはワクチン接種がまだ追い付いていなかったのかもしれない。
  • 40代においてもワクチン接種が追い付いていないが、年齢による重症化のリスクが比較的少ないことで少ない数に見えるのかもしれない。

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出典:東京都モニタリング会議 (2021/9/9)

ワクチン接種による重症化が防げるという話は必ずしもそうではないことを示しているのではないだろうか?60代以上の重症者数が比較的多く目立つことは、ワクチンの効果切れなのか、ワクチン接種後に抗体価が減少してしまったのか、そもそも必要な抗体量ができていなかったのか(これは個人差によるところが大きいので仕方がないかもしれない)、推測はいくつもできる。他にも可能性があるかもしれない。

あるいは、第3波、第4波よりも感染力が強いため、新規感染者数もかなり多く出ているため、そうした状況を考えれば、60代以上は第3波と同程度の重症者数かそれ以下なのでワクチンの効果は少なくとも影響しているだろうと見るのが適切なのかもしれない。これも前提をどこに設定するかで良くも悪くも言えてしまうので、状況をよく踏まえてみていく必要があると思う。

第5波は下火になっていくが、その時においても新規感染者数が60代以上が多く占めるのであれば、ワクチンの効果が少なくなってきていることを疑ってもいいのではないかと思う。もう一つ注目すべきことは、医療従事者の中で感染者が増えてくるかどうかである。医療従事者はワクチン接種が早く行われてきた。一番抗体価が少なくなってきているグループであるからだ。そこで感染者が認められるのであれば、ブースターという手段は選択肢としてもいいのかもしれない。なお医療従事者はこうした事情を誰よりも知っていると思われるので、その選択を尊重していくことが賢明だと思う。

 

今回の考察では3つの点に絞って述べてみたが、まだまだCOVID-19については不明なところがある。変異株によってウイルス自体の特性が大きく変わってきたことで、昨年の考え方を今に適用したところで意味をなさないと思っているのは皆さんそうではないのだろうか? 1か月後にも考察してみたいと思うが、状況が変化していけば今回述べたことと異なることを言っている可能性があるが、現状を正しく認識して感染予防(換気、手洗、マスクなど)に努めていきたい。

 

FCI NY (YouTube)から学べること (5)

アメリカ連休後の感染増加に警戒 (2021/9/12)

www.youtube.com

これまでの全米の感染者数が4000万人を超えました。専門家は、先週末のレイバーデー連休後、さらに感染者が増加すると警戒しています。
レイバーデイの休日、6日月曜日の空港利用者数はおよそ200万人となり、パンデミック前の2019年に近い人出となりました。約4300万人が車で旅行に出かけたとされています。ブラウン大学公衆衛生学部アシシュ・ジャー学部長は「感染者は増加はするでしょう。これまで休日の後には、感染者や入院患者が増加しました。」と語りました。全米の1日の新規感染者数は16万3000人以上(CDCアメリカ疾病予防管理センター 9/8)、感染による入院患数は10万人以上(HHSアメリカ合衆国保健福祉省 9/9) 、1日の感染による死亡者数は1600人以上となっています(CDC 9/8)。アイダホ州の病院で集中治療室を担当ずる看護師は「マスクを着けずに〈もう再開した、自由だ〉と言っている人を見るとむなしくなります 。」と語りました。

一方で、新学期が始まり通学が再開された地域も多く、子供への感染拡大が懸念されています。7日火曜日に発表されたアメリカ小児科学会の報告によると子供の感染者数は、1週間で25万2000人以上となり、パンデミック始まって以来最多となりました。テキサス州では8月に新学期が始まって以来、約5万2000人の生徒の感染者が確認され、少なくとも45の学区がオンライン授業に切り替えています。6日月曜日の段階で、全米35州1400校が対面式授業を見合わせています。9日木曜日、カリフォルニア州ロサンゼルス郡は、対面式授業を受ける12歳以上の生徒に対しワクチン接種を義務化しました。次の学期までには通学に接種証明が必要になるということです。

一方、ホワイトハウス新型コロナウイルス対策チームが推奨した一般の人へのワクチンの追加接種・ブースターショットについて、ファイザー製は9月20日から、モデルナ製は今月末頃から実施されると見られています。しかし、専門家の間では、議論が続いています。 ブラウン大学公衆衛生学部アシシュ・ジャー学部長は「数週間で健康な人への追加接種が有効だと判明すればよいですが、それまでは追加接種を勧めません。」と語りました。追加接種について、FDA食品医薬品局の承認とCDC疾病対策センター有識者委員会からの推奨が待たれています。

そうした中、9日木曜日、バイデン大統領は、デルタ株への対策とワクチン接種を進めるための新たな指針を発表しました。100人以上を雇用している企業に対し、従業員のワクチン接種、または週1回の感染検査を義務化、また、連邦政府機関の全職員にワクチン接種を義務化するなどおよそ1億人に影響が及ぶと見られています。

 

日本とは対照的に人の流れが多い状況が伺える。この1週間後、2週間後に新規感染者数が増加しているかどうかを評価してみれば、日本が自粛で新規感染者数が少なくなったことがより顕著になるのではと思う。私はアメリカに2年滞在したことがあるが、日本とは異なり、個人の傾向が強く出る社会であり、いろいろな意見が多くあることでそれはそれで尊重されることだと思う。おそらく、日本の自粛警察(これには賛否両論あるが)なんてやってみるものであれば、訴えられるか、銃でやられてしまうかもしれない。多民族国家であり、いろいろな考え方を持つ人が集まった国であるが、やはりある一線を越えたらアウトということは誰もが意識していると住んだことがある当時を思い出された。

現時点でのアメリカの新規感染者数と死亡者数の推移は、CDCのダッシュボードによると以下のようだ。

新規感染者数(赤線は7日間の移動平均

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出典:CDC COVID Data Tracker
CDCに報告された米国におけるCOVID-19症例数の日次推移

死亡者数(赤線は7日間の移動平均

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出典:CDC COVID Data Tracker
CDCに報告された米国におけるCOVID-19死亡者数の日次推移

この2つのグラフを見比べると、日本で大変なデルタ株よりもその前の波の方が影響が大きいことが伺える。減少傾向と伺えるが、この連休によって推移がどうなっていくか注視すると日本における3連休(9/18~9/20)についても傾向がつかめるのではないだろうか。緊急事態宣言中の地域もあるので、アメリカのようなGo Toトラベル的な要素はないにしても、そろそろ自粛だけではなく、現実的な生活を取り戻したいところだ。

ちなみにアメリカの変異株の推移をみてみるとデルタ株(薄緑色)の前の波はアルファ株(青色)のようだ。

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出典:nextsrain アメリカ合衆国における変異株の推移

https://nextstrain.org/ncov/gisaid/global?f_country=USA

アルファ株蔓延しているときにワクチン接種が進んで数が減ってきたと推測するが、デルタ株は現時点ではほぼ100パーセントと蔓延している。

ブースターショットは抗体価を増やすようだ

イスラエルの接種状況を見てみよう。日本の感染者数も見てみよう

イスラエルでは、世界に先駆けてワクチン接種が進んだ国と言われいる。しかしここにきてワクチン接種後の新規感染者数が増加し、3回目の接種(ブースターショット)が進められている。実際のところ、人口100万人当たりの新規感染者数は、緑色のイスラエルが6月下旬から増え始めている。参考までに、英国、米国、EU、日本もグラフに掲載している。

日本の数が比較的少ないが、これは検査数が他国に比べると少ないことが背景にあることを念頭に置いておこう。厚生労働省の国内の発生状況などでは、PCR検査の1日の能力が33万件ほどだと言っている。単純に件数の20%が新規感染者(新規陽性者)としたら、6.6万人ということになる。今回のデルタ変異株で検査が回っていかないとは言っていたが、新規感染者数の最大が2.5万人程度だ。どうもこの数字は懐疑的だ。第2感染症相当というルールで保健所主導で人手がなく、自宅療養者をたくさん出して、放置されて死に至らせる例も散見する。数字は正直なところもあるが、こうした背景がある数字だということも念頭に置かないといけないだろう。

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出典:OurWorldinData 2021/9/11時点の新規感染者数(人口100万人あたり)

ワクチン接種で2回とも接種した状況は、イスラエルが先行して5/1の時点でほぼ60%の水準で横ばいである。日本においては5/1はまだ始まったばかりというか医療従事者が先行して1%程度である。

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出典:OurWorldinData 2021/9/12時点の完全ワクチン接種率

ブースターショットを行う背景には、ワクチンでできるであろうIgG抗体が経時的に減少してきていること、従来株(武漢株)で設計されたワクチンは変異株によっては効力が完全にカバーしきれないことなど、その理由がいくつかあるであろう。

イスラエルでは、下グラフのように8月初めからブースターショットが始まり、9/11時点で30%を超えた水準である。

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出典:OurWorldinData 2021/9/11時点のブースターショット接種率

研究報告での一例では抗体価↑

ブースターショットで抗体価を増やすという報告が、9/2にJAMA (Journal of the American Medical Association; 米国医師会が発行する医学雑誌)に掲載された。

jamanetwork.com

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出典:Comparison of SARS-CoV-2 Antibody Response by Age Among Recipients of the BNT162b2 vs the mRNA-1273 Vaccine (2021/9/2 JAMA) 図は翻訳した


この研究レターでは、ファイザー社とモデルナ社のワクチンで生成される抗体価を50歳未満、50歳以上で比較している。またブースト前とブースト後で抗体化の増加程度を示している。

  • Aのグラフは年齢を分けることなく、基線(接種前)の抗体価、ブースト前(2回接種後)の抗体価、ブースト後(3回目接種後)の抗体価を表している。抗体価は、基線→ブースト前→ブースト後と増加している。
  • Bのグラフは50歳を境にして、ブースト前のP社とM社の抗体価を表している。P社よりもM社の方が抗体価が高いことを示している。M社は年齢を分けてもさほど抗体価に大きな変化が無いが、P社は年齢を分けると50歳以上の方がより低い傾向が認められた。
  • Cのグラフは、50歳を境にして、ブースト後のP社とM社の抗体価を表している。この結果では、ブースト前よりもブースト後の方が抗体価が増えている。M社の方がP社に比べると若干抗体価が高い傾向がある。

この研究レターでは、以下のように考察している。

今回のコホート研究では、定量法を用いて、BNT162b2が高齢者と若年者の間で相対的に低い抗体レベルを誘発したことを確認しており、これは新しい報告と一致しています4,5。一方、mRNA-1273を投与された高齢者と若年者では、ブースト後の抗体レベルに差は見られなかった。高齢者で見られた免疫原性の違いは、BNT162b2では30μg、mRNA-1273では100μgと、それぞれのワクチンに使用されたmRNAの量に関係している可能性がある1,2。 この研究の限界は、中和抗体が測定されていないことである。しかし、いくつかのグループが、SARS-CoV-2の結合と中和抗体の間に強い相関関係があることを報告している6SARS-CoV-2に対する結合抗体が、COVID-19に対する臨床的防御を予測するために使用できるかどうかについては、さらなる研究が必要である。

ブースターショットは抗体価を増やすことは分かったが、副反応はどの程度かという情報とか、これまでにない副反応は報告されているかとか、知っておくべきことはいろいろ出てくるのではないかと思う。日本国内では、第5波が10月下旬に終息することを想定し、この冬に第6波が発生することを想定し、どの年齢層でどのように感染していくのかなど、動向を見守っていくことでブースターショットの是非がはっきりするのではないかと現時点では思う。

 

全国の新規感染者性者の状況 (2021/9/13)

ピーク時から減少傾向が続いているようだ。上昇に2か月程度要したので少なくとも1か月くらいは下降する時間が必要と思う。

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出典:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス (2021/9/13)

週ごとの新規感染者数(1日当たり)の棒グラフも、減少傾向が続いている。愛知県もようやく減少傾向に入ったと思う。

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出典:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス (2021/9/12)

東京都の全国に占める割合も、9/12時点で14.79%と東京が大きく占める傾向は無くなったと言えよう。

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出典:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス (2021/9/12)

実効再生産数は、9/12時点で9/5と比較すると、全国平均は0.813→0.675。東京都は0.754→0.646。愛知県は0.961→0.748といずれも減少傾向である。

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出典:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス (2021/9/12)

なお、実効再生産数を関東圏、東海圏、関西圏では以下のようになる。ここで掲載した都府県については9/12時点で実行再生産数概ね全国平均の推移と同じようだ。

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出典:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス (2021/9/12)

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出典:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス (2021/9/12)

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出典:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス (2021/9/12)

先週掲載したグラフを継続して掲載する。青線は新規感染者数で、赤線は死者数である。1日ごとは変動が大きいためこれを細い線としているが、太い線で7日間の移動平均(現在の日と過去3日分と未来3日分の平均)してみてみた。縦軸の値は左右それぞれに分けたが、新規感染者数の1/100が死亡者数となっている。

第5波の新規感染者数は最大で大体2万5千人ほどだったが、現時点では平均が1万人程度なので、ピーク時の約4割の水準となった。死亡者数についても毎日の変動があるため移動平均でトレンドを見てみるが、そのうち減少していくことを臨んでいる。

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出典:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス (2021/9/12)

今度は、重症者数と死者数の推移についてを示す。紫色の線が重症者数で、赤色の線が死者数である。重症者数は、下降傾向が認められるが、あれだけ新規感染者数が多かったので、医療ひっ迫レベルを解消するのであれば、10月下旬まで時間を要するのではないかと想像する。

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出典:出典:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス 、 厚生労働省

最後に、私が居住する市の週ごとの感染者数の状況であるが、愛知県の減少傾向よりもやや早く減少しているようだ。逆に増えるときは愛知県のペースよりも先行していたと思える節があった。

 

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可視光線405nmの波長のLEDでSARS-CoV-2を不活性化する

こういうニュースをいまさらながら見つけた。2021年6月22日に発表された内容である。

prtimes.jp

G-Smatt Japanと奈良県立医科大学可視光線405nm波長の LEDによる新型コロナウイルス不活化効果を確認
G-Smatt Japan株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:柳 景仁)は、公立大学法人奈良県立医科大学医学部微生物感染症学講座にて、可視光線405 nm LEDによる新型コロナウイルスSARS-CoV-2)の不活化効果の確認を行った結果、可視光線405 nm LEDが、新型コロナウイルスを5分で約70%不活化することが確認されました。
※時間による結果、5分:69.577% 30分:77.971% 60分:81.025% 360分:99.892%の不活化

ここにたどり着いたトリガーは、Yahoo!のニュースである。

news.yahoo.co.jp

光を照らす方法で、新型コロナウイルス感染症新型肺炎)を治療する治療法が開発中だと米経済誌フォーブスが報じた。

1日(現地時間)、フォーブスによると、米ノースカロライナ州の医療機器メーカーのエミットバイオ(EmitBio)が発光ダイオード(LED)の光で人の気道の組織にあるデルタ株99.9%を除去したと発表した。報道によると、エミットバイオのニール・ハンター代表は「光だけでコロナ患者を治療すると言えば、大手製薬会社や政府機関は信じられないだろう」とし「しかし、31人を対象に、呼吸器細胞の3日間、LEDの光を5分ずつ1日2回照らしたところ、デルタ株がすべて消えた」と主張した。

どのような光なのだろうと非常に気になり、EmitBio社とコロナウイルスを除去する内容で検索したところ、以下の記事にたどり着いた。

www.prnewswire.com

DURHAM, N.C., Sept. 1, 2021 /PRNewswire/ -- EmitBio, Inc., a life science company, today announced successful results from a new In Vitro Neutralization study of the Delta variant in human airway tissue. The study revealed that EmitBio's technology eliminated 99.99% of the aggressive Delta variant of the SARS-CoV-2 virus with no damage to healthy tissue after three days of twice daily dosing. The Company's light technology has also proven effective, with no loss in potency against all other Covid-19 variants tested in the lab to date. 

(DeepL翻訳)DURHAM, N.C., September 1, 2021 /PRNewswire/ -- ライフサイエンス企業のEmitBio, Inc.は本日、ヒト気道組織におけるDeltaバリアントの新しいIn Vitro Neutralization試験の成功結果を発表しました。この研究では、エミットビオ社の技術が、1日2回、3日間の投与で、健康な組織にダメージを与えることなく、SARS-CoV-2ウイルスの攻撃性の高いDeltaバリアントを99.99%除去したことが明らかになりました。また、当社の光技術は、現在までに実験室でテストされた他のすべてのCovid-19亜種に対しても効力を失わず、効果的であることが証明されています。 

しかしながら、どのような可視光かはこの記事からはまだわからずさらに検索をかけた。ようやく、可視光についての手掛かりが得られた。冒頭には有効性を示せた内容が述べられていた。

www.ncbiotech.org

ダーラムの医療機器メーカーであるEmitBio社は、COVID-19の治療に光明が見えてきたと考えています。

EmitBio社は、充電式電池を使用した携帯型の治験機器の31人の患者に対する最初の試験で、良好な臨床試験結果を報告しました。この装置は、喉用の懐中電灯のようなもので、EmitBio社が開発したもので、医師の処方箋があれば、安全な可視光LEDの波長を喉に照射して、COVID-19の原因となるコロナウイルスであるSARS-CoV-2などの悪い虫を攻撃することができます。

この臨床試験には、SARS-CoV-2ウイルスの検査で陽性となり、COVID-19の初期症状を示した18歳から65歳までの男女31名が参加しました。このプラセボ対照無作為化二重盲検試験は、COVID-19の治療法としての電磁エネルギーの安全性、忍容性、有効性を測定するために行われました。

試験対象者の3分の2は、1日2回、発光装置による治療を4日間受けました。その他の人は、不活性のデバイスで同じ時間治療を受けました。

初期の結果では、EmitBio社の製品で治療を受けた被験者の唾液中のSARS-CoV-2ウイルス量は99%以上減少しました。その他の参加者は、ウイルス量にほとんど変化がありませんでした。また、代謝、肝臓、腎臓、血液検査の評価も行われました。有害事象は報告されませんでした。

同社によれば、この初期の試験では、本製品が測定可能なCOVID-19ウイルスの量を劇的に減少させるだけでなく、身体の自然な防御を刺激することも示されています。EmitBio社は、この装置の緊急使用認可について、米国食品医薬品局と「協議中」であると述べています。

EmitBio社はノースカロライナ州のバイオテクノロジーセンターに、ノースカロライナ州で製造されたこの製品のプロトタイプは、固体LEDの光を喉の奥に照射するもので、軽度から中等度のCOVID-19感染者のウイルスのほとんどを取り除くことができると話しています。また、患者は対照群の参加者よりも2、3日早く症状から回復しました。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

私が着目した記事は、以下のCoolUVというキーワードで、UVだから紫外線だろうと思ったけれど可視光ということは何だろうということで頭は???であった。

Another Cary-based firm, Lumagenics, also is considering light – although of another type – to combat COVID-19. That company is exploring the use of ultraviolet radiation to kill SARS-CoV-2 and other pathogens on targeted surfaces via its CoolUV technology. 

(DeepL翻訳)ケーリーにあるもうひとつの企業、Lumagenics社も、COVID-19対策として別の種類の光を検討している。同社は、CoolUV技術を用いて、対象となる表面上のSARS-CoV-2やその他の病原体を殺菌するために、紫外線の使用を検討している。

深紫外線(UV-C)のLEDならば中心波長が275nmや280nmのものという認識を持っているけれど、これは絶対に知覚できない。では一体何だろうと思ってさらに調べたら、以下の記事にたどり着いて、紫色の光が波長405nmに相当し、これがウイルスを不活化させる働きがあることを理解した。

optronics-media.com

 

以上、紫色の光がSARS-CoV-2を不活化する内容を述べてきた。私が思ったのは、紫色のLEDで赤色、緑色、青色の蛍光体をたたいて発色する高演色の白色LEDなんかいいのではないかと思ったところである。すでに特許とか進めていることだろうから参入したところでどうかと積極的にビジネスしようとは思っていないけど、本当に効果があるのであれば、DIY程度でLEDをはんだ付けして照明でも作ってみようと思う。ただまぶしい光だとすればあまり推奨できないし、そもそも405nm程度の波長はヒトの比視感度からもまぶしいとは感じないと思う。光パワーメータとか視感度補正されていない測定器で測ってみて光の強さを調べた方がいいだろう。