新型コロナ対策で使える消毒液は?
無難なものは消毒用エタノールだと思っている。ただ、皮膚の脂分が飛んでしまって荒れてしまうこともあるので、その辺は肌と相談しながら使うことになるだろう。
省庁のホームページによると
「意外と」なんていうとお叱りを受けてしまうが、簡潔にまとまって説明されている。「2.手や指などのウイルス対策」「3.モノに付着したウイルス対策」が日常生活で特に関係してくる内容だと思う。
経済産業省は、昨年、消毒液不足の現状からそれに代わるものを評価して次の表のように選択肢を増やしてくれた。
モノに対しては、含有成分についてにもよるが、家庭用洗剤が使えることは有用である。次亜塩素酸ナトリウムは、濃度にもよるがウイルスに対しては有効であることが知られている。ただモノを変質させてしまう場合があるので、注意が必要かもしれない。また、次亜塩素酸ナトリウムは熱や光によって分解されるので、薄めた溶液を作ったらその日のうちに使い切ることがポイントである。
日本生活習慣予防協会のホームページによると
これはより具体的だ。市販製品のテスト結果を公表している。冒頭に書かれているポイントは以下の通り。
- 市販のアルコール系消毒剤は、アルコール濃度50%以上の製品であれば3万個の新型コロナウイルスを完全に消毒することが可能であることが分かった。
- また、ハンドソープ系、台所洗剤類、お掃除並びにふき取り系製品でも、製品の使用方法に従って使用すれば、新型コロナウイルスを完全に消毒することが可能であることが明らかになった。
- 一方、二酸化塩素系、次亜塩素酸水系の製品は、製品の劣化がないことを確認してから、試験を実施したが、3万個の新型コロナウイルスを完全に消毒することができないことが明らかになった。
ヨシダ製薬のホームページによると
医療現場の消毒液を取り扱う会社であり、専門的な情報だ。表にウイルスの不活性化の程度を対数表示で示しているが、エタノールはSARS-CoVには有効と判断できる。グルコン酸クロルヘキシジンはもともと低水準消毒液なので、数字が低く出るのもうなずける。
京都府立医科大学の研究成果にもエタノールの有効な濃度が明示されている。
エタノールは、40w/w %以上の濃度であれば、10の4乗 (10,000) 以上の減少があることが示された。
グルコン酸クロルヘキシジンはクロルヘキシジンをグルコン酸塩とすることによって水溶性としたビグアナイド系化合物である。皮膚に対する刺激が少なく、臭気がほとんどない生体消毒薬(antiseptics)であり、適用時に殺菌力を発揮するのみならず、皮膚に残留して持続的な抗菌作用を発揮する。0.2 w/v%であれば、1/150~1/250程度減少する。濃度1.0 w/v%を上げると減少程度は1/430~1/1,500程度になる。
塩化ベンザルコニウムは逆性石鹸もしくは陽性石鹸と言われ、+殿下が細菌内に侵入して菌体蛋白に影響し、最近作用を示すとされる。0.05 w/v%で、1/100~1/230程度減少する。 濃度を0.2w/v%にすれば1/500~1/1,500程度減少する。
感染リスクを低減するための手段として、状況に応じて使い分けていくことが良いと思われる。