新規感染者数の傾向をみるとピークアウトどころではない
そろそろピークアウトを迎えられるかということを望んでいたが、その希望は最近の新規感染者数の数字からまだ先であることと認識を改めなければいけないと思った。月末でピークアウトするであろうという期待はできなくなったことは率直にお詫びしたい。
現時点でのデータをグラフ化して、思うことを述べていきたい。いまさらながら、近似式でという発想がどうもいけなかったかもしれない。傾向的には高止まりすしてその後下降することからして、確率分布で用いられる関数で考えなかったかもしれない。これもごめんなさいというところだ。でも、8月の終わりまでは近似式を使って、近似式での話は終わりにしようと思う。現時点での近似式での推定値は、以下の通りになる。2次及び3次曲線における近似式での推定値は、実際よりも低めで、8/20時点で約22,800人、8/30時点で31,300人となる。
まず、全国の新規感染者数の動向で、実効再生産数も追跡してきた。これまで下降してきたものが上昇傾向に転じてしまった。実行再生産数が1を下回れば新規感染者数の増大傾向が転じると思われるが、その期待は無くなった。8月19日時点での全国の動向は以下のグラフのようになる。なお計算式は、実効再生産数=(直近7日間の新規陽性者数/その前の7日間の新規陽性者数)^(平均世代時間/報告間隔) で、平均世代時間は5日、報告間隔は7日としている。数式が異なると、各データサイトで異なることが想定される。
報道では、先週の同じ曜日とどれくらいの増加があったかを示すカレンダー表示で新規感染者数の報告があるが、全国は以下の通り。
東京都は以下の通り
愛知県は以下の通り。
緑色の数字の列の週平均の新規感染者数を棒グラフにしてみる。
週平均での増加傾向を見ると、
- 全国は30週から31週にかけて倍加して増え続けている(前週比222%)。
- 東京都は30週から31週にかけて急激に倍加したがその後漸増している(前週比281%)。
- 愛知県も30週から31週にかけて倍加し(前週比224%)、は33週から34週にかけて概ね倍加している(前週比187%)。
各地域ごとに、感染が倍加した時期が異なって、全国一律な増加傾向とは言えない。
東京都は、倍加した時期が全国的に早くそれにつられて全国も同時期倍加していることは、その時期の割合が40%近いのでそう言えるだろう。現時点では割合が20%程度になってきているので、高止まりになるか、漸増が継続するか見極めるところかもしれない。
新規感染者数がこれだけ増えると、感染症2類相当から5類に変更した方がいいとか、緊急事態宣言ではなくロックダウンすべきだとか、いろいろこうした方がいいという話が飛び交っている。ロックダウンは憲法との絡みがあってそう簡単にできるものとは思えないが、まずは入院すべきなのに入院できずに苦しんている人に目を向けて、酸素投与(少なくともちゃんとしたネーザルハイフローで)や、自宅でも抗体カクテル療法とか、常識を外れた打開策でやっていかないといけない状況だ。イベルメクチンはいろいろと賛否両論があるが、待ったなしの状況なので、早急に打開していくことを祈るばかりである。