kennyheadway's thinking

こちらは日々思うこと、COVID-19について思うこと述べていくことになりそうかな。

ワクチン接種は正しい打ち方でないと抗体が不十分になるという話

接種を終えてから、以下の記事を目にした。8月6日付の週刊ポストの記事であるが、これもまたすごく勉強になる。筋肉注射は直角(90度)でやらないとダメらしい。

www.news-postseven.com

日本の予防接種は、皮膚をつまんで皮下注射することが常識のようであるが、世界標準では筋肉注射であるとのこと。筋肉注射でも、世界標準と日本では以下のように異なるらしい。

  • 世界標準は、肩の三角筋に針を90度にして注射する。
  • 日本ではこれまで『筋肉注射の角度は45~90度』と指導されてきた。

三角関数的に、45度で針を刺すのであれば、90度で針を刺すのと比べて深さの7割程までにしか到達しないということになる。60度であれば、√3を2で割った0.866だから、5/6程度ということになる。針が浅くて抗体が出来なくてブレークスルー感染というストーリーが出来上がってしまうのであれば、シャレにならない。

 

標準的なワクチン接種は筋肉注射らしいが、どうも日本ではそれがトラウマになっているとの記事が朝日新聞にあった。

www.asahi.com

 実は、インフルエンザワクチンも海外では皮下注射ではなく筋肉注射です。日本では「ワクチンは原則皮下注射」というローカルルールがあり、インフルエンザワクチンに限らず、海外では筋肉注射されているワクチンの多くが日本では皮下注射されています。

 日本で筋肉注射が避けられているのには歴史的な背景があります。不適切な筋肉注射のせいで「大腿四頭筋拘縮症」という副作用が多く起こったことからだそうです。1970年代と言いますから私が子供のころです。抗菌薬や解熱薬を何度も大量に筋肉注射したためであって、ワクチンの筋肉注射ではそのような副作用は起こりません。

こういう背景を知ると、50年程筋肉注射は封印され、コロナ渦で封印が解かれたけれど、従前の方法と混乱して、90度の筋肉注射ができない場合が起こってしまうのかもしれない。新型コロナウイルスワクチンの添付文書(ファイザー社のコミナティ)には『筋肉内に接種する』と書かれていて、90度という角度指定はされていなかった。

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出典:https://www.mhlw.go.jp/content/11123000/000738743.pdf

対比するために、インフルエンザワクチンの添付文書のうち一つを以下に記そう。

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出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013nne-att/2r98520000013nz4.pdf

ちゃんと『皮下に』と書いてある。このように書かれていると、インフルエンザのワクチン接種で、「筋肉注射で打ってください」と医療従事者のスタッフさんに言ったらきっと困惑するだろう。ちなみにインフルエンザワクチンの添付文書には、『筋肉注射』とは一言も書かれていなかったが、『筋肉痛』とは書かれていた。

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出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013nne-att/2r98520000013nz4.pdf

新型コロナウイルス感染症の予防のワクチンで、皮下注射か筋肉注射で抗体量がどれだけ異なるのかを調べればよいわけだが、もう本番の接種は始まっているし、感染を予防する観点からは、こうした実証を得ることは困難である。今度接種を受ける機会があれば、針の角度によく注意してみよう。ワクチンで生成されるであろう抗体だけに依存するのではなく、体の免疫力を上げておくことが大事なので、これは引き続き対策していこう。