実効再生産数は下降傾向。だけど新規感染者数は当面増加か
連日、デルタ株の蔓延で新規感染者数が増えている。わたしがいつもチェックしているのが実効再生産数Rtの推移であり、1を下回ることが無い。まずは、Rtについて述べてから、先週描いた近似曲線のその後を述べていく。基本的には記事1,000文字程度にすることを心掛けているが、今回は文字数がいつもの2倍ほどだ。これはいかんでしょっていうことを言いたいためもあるが。
実効再生産数 Rt
上図の棒グラフが新規感染者数で、緑色の折れ線グラフが実効再生産数Rtである。このサイトでは、各都道府県別にも表示可能である。感染者数が多い都道府県もおおむね全国の傾向と類似していると思う。
上図のグラフで1.0を超えたのは6月26日であるが、それから上昇傾向が続いている。五輪開幕前の連休で一時的に減少するが、その後再び増加傾向。7月31日以降減少傾向。
Rtには関係ないが、国のクソ方針転換は如何なものか。重症患者だけ入院だって。それ以外は自宅療養しろって。国民に死ねって言ってんのか! お医者さんだって怒ってるよ!
言い過ぎた。冷静になって説明を続けよう。
実行再生産数Rtについては、以下のサイトで説明されている。
東洋経済オンラインの特設サイトで実効再生産数は、以下のように説明されている
- 「1人の感染者が平均して何人に感染させるか」を表す指標。
- 計算式は「(直近7日間の新規陽性者数/その前7日間の新規陽性者数)^(平均世代時間/報告間隔)」。
- 平均世代時間は5日、報告間隔は7日と仮定。
- リアルタイム性を重視して流行動態を把握するため、報告日ベースによる簡易的な計算式を用いている。
- 精密な計算ではないこと、報告の遅れに影響を受けることに注意。
- モデルと監修は北海道大学大学院医学研究院・西浦博教授。計算式の詳細は西浦教授の公開するGitHubリポジトリを参照。
新規感染者数の推移は
東京都の推移
概ね増加の傾向が続いている。あれからずっと数字を入力しているが、これを付けているとなんとなくどういう傾向かがわかるかもしれない。右端の週平均の数字も併記した。連休とかで数字が乱高下することもあるが、1日当たり1万人に到達することも想定しておいた方がよいだろう。ただ新規感染者数が全て発症するわけではないようだが、発症させるための因を作らないことが第一に重要だ。
愛知県の推移
同じことを、私が在住している県の内容を毎日付けている。数字の桁が異なるが、東京の傾向が数週間遅れて同じ傾向になるので十分気を付けないといけない(大村知事が言っていた)。PCR検査の頻度も東京都と愛知県では異なるし、直接的に比較して何かものをいうことはない。PCR検査についても、機会があれば思ていることを書いてみたい。増えている傾向は一緒だよということだ。
近似式での推定人数(全国)
7月30日に近似式で月末の推定人数を算出してみたが、現時点でのデータを加えて同じことをやってみた。直近の6日間のデータを追加すると、2次と3次の差がそれほど大きくなくなってきた。でも、8月終わりにはかなり大きな数が推定される。
今日の日経では、18日時点で東京都が1万人越えと報道している。そうなると、上図の2次よりも大きな値で3次を超えない数になるのではないかと推測する。
ピークアウトは、イギリスで2か月。インドで3か月。イギリスはワクチン接種率のアドバンテージがあるかなと思う。8月終わりまでにピークアウトすることを祈っている。
感染確認して症状がでたらすぐ使うべき薬
数に関係がない話になるが、抗体カクテル療法(カシリビマブ及びイムデビマブ)は点滴に使用する薬で、発症した段階ですぐ使うと効果があるようだ。1週間以内といっても3日程度の1週間以内と6日程度の1週間以内とでは聞き方が全然違うと、これもお医者さんが言っていた。厚生労働省は入院患者しか使うな的なことを言っている。
数が限られているのでそういっているわけだが、重症化してから使ったとしても手遅れだよ。P681Rのネチョーっとした悪さが回復を妨げるように思えるし。超法的措置を使うのであれば、現在治験中の薬や効果があるとされるが有効性が認められないと渋っているものを緊急承認させるなどして、重症化をなくすようにできないものだろうか?効果が認められないことが後からわかれば、承認を取り消すなど、非常事態が故の柔軟な対応が求められる。でも安全性の確認が前提となると難しい。